Story Reader / Affection / カムイ·暉力·その2 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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カムイ·暉力·その5

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4日目

早朝。本来なら人々を優しく目覚めさせるはずの疑似陽光は、いつも通りには現れなかった。低く唸る雷鳴と、雨を孕んだ湿気が、生態園の中にじわじわと浸透している

それでもこの異変は、「未命名部屋」で眠るカムイのもとには届いていなかった

その瞬間……

ドォォ――ン!

まるで頭上で炸裂したかのような雷鳴。大地そのものが揺れ、生態園全体が震撼する。カムイは一瞬で眠りから弾き起こされた

なんだ!?

異音に跳ね起き、暗い室内を見渡す。部屋は薄暗く、そこに[player name]の姿はない。まさか、まだ外にいるのだろうか

そう考えた直後、[player name]から通信が入った

[player name]、今の音は爆発か?それとも侵蝕体の襲撃か?

了解。居住エリアのホールで落ち合おう

言葉の端々から、ただならぬ状況であることが伝わってくる

通信を切ると同時に、カムイは部屋を飛び出した。その勢いで生じた気圧が、彼の背後で扉を閉じた――

生態園のホールで合流し、ふたり揃って空を見上げる

厚い雲が視界を覆い尽くす。空は不気味な紫黒色に染まり、荒れ狂う雷光が蛇のように雲の中をのたうち回っていた。それらは今にも限界を迎えそうな防護天幕を叩きつけている

[player name]……今の防護レベルじゃ、この規模のエネルギー衝撃には耐えられない

執事ロボットに言って、防護レベルを引き上げさせよう

すぐに執事ロボットを呼び、現在の状況を伝える。詳細を把握した途端、執事ロボットは思考するかのように沈黙した

どうだ?[player name]

執事、緊急事態だ。嵐のレベルが予測を大きく上回ってる

今の防護レベルだと防ぎきれない。すぐに引き上げてほしい

執事ロボットの背後で回転していたアンテナが停止し、明滅する単眼が険しい表情のカムイへと向けられた

極端気象の接近を検知。現在の気象条件下では、防護システムによる完全な防御は不可……エネルギー配分要求を評価中……

その時、かつてないほどの青白い閃光が、生態園全体を一瞬で覆い尽くした。人々は反射的に目を閉じる

直後、鼓膜を突き破るような轟音。世界そのものが崩壊するかのような衝撃だった。暴力的な雷撃が防護天幕を貫き、エネルギー制御センターに直撃する

警告!警……告……

執事ロボットの単眼が必死に数回点滅し、消えた。次の瞬間、ロボットは力なく床へと倒れ込む

生態園全体が停電し、残されたのは回転する赤色の非常灯と、耳を刺す警告音だけ。頭上の防護天幕は短く明滅したのち消失し、冷たい金属の骨組みと透明な材質が剥き出しになる

[player name]、生態園全体のエネルギーがショートしたみたいだ

でも、俺たちの権限じゃ……

短いやりとりの末、ふたりで新たな作戦を立てた。次の目標は、エネルギー制御センターだ

防護天幕を失った生態園に、刺すような冷気が一気に流れ込む。破損した通気口から、みぞれ混じりの雨が吹き込み、地面を叩き始めた

闇、恐怖、不安……それらがともに流れ込み、被災者たちの中に沈められていた感覚を、容赦なく呼び覚ましていく

[player name]、一体何があった!?どうして停電した?それに、なんで雨が……

彼に続き、不安の色を浮かべた他の被災者たちも駆け寄ってくる。倒れた執事ロボットと、降り注ぐ雨を目にした瞬間、ざわめきが広がった

まずい、畑が……!天幕が消えたら、昨日蒔いた種が……

顔色を変え、外へ飛び出そうとするベルニーを、カムイが即座に制止する

俺たちの家が……

一体どうなってるの!?

この天気で外に出るのは危険だ

だが……

カムイくん、一体何があったんだ?

雷雨が直撃して、防護レベルが追いついてない。今は絶対に外へ出ないでくれ。居住エリアにいた方が暖かいから

ベルニーはリュークのジイちゃんと一緒にみんなの誘導を。他のみんなは非常用物資を集めてくれ

リュークは力強く頷き、今にも外へ飛び出そうとするベルニーの腕を掴んだ

落ち着け。今は[player name]を信じろ

皆、[player name]の指示に従え!この危機は必ず乗り越えられる!

[player name]、時間がない。そろそろ行かないと

[player name]、カムイくん。どうか無事でな

大丈夫だ。俺がいる限り、[player name]に傷ひとつつけさせない

必要な指示を全て伝え終え、最低限の防護を整えると、冷たい雨の中へと駆け出した

絶対に、無事で戻ってきてよ……

力を合わせ、制御センターの重い扉をこじ開けた。内部は闇に包まれており、交差するふたりの懐中電灯の光だけが灯る

焦げた回路の刺激臭が空気を満たしている。巨大な制御センターは、まるで墓場のように静寂に包まれていた