constructs

ハカマ: 隠星

/MPA-01

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MPA-01、正式名称は啓発式人工知能管理機械A型(Heuristically Artificial Intelligence Caretaking Machine-Alpha)。ハカマのメインプログラムは機械意識実験の管理AIとして、実験プロセスの記録や分析のために元科学理事会の機械意識実験研究所にある大型コンピューターに搭載されていた。

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機械実験の対象であった実験体の中にナナミという特殊な個体がいた。彼女はハカマに名前をつけ、唯一「お友達になろう」と言った個体だった。ナナミによってハカマは初めて「自分」を認識した。ある意味、ハカマは「セージ·マキナ」の影響を受けた初めての機械体である。

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「必ず彼女を見つけます。」新たな身体と使命を得たあと、ハカマはナナミを探す旅に出た。旅の途中で出会った機械たちの信仰から「セージ」の存在を知ったが、再会した記憶の中の少女がその「セージ·マキナ」だとは予想だにしなかった。

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「ご存知でしょうが、私はほぼ全ての人格を生成可能です。」実験記録の完成度を高めるため、管理AIの感情モジュールには数百種類の性格タイプが搭載されている。そのシミュレーション及び演算能力によって、ハカマは人間のあらゆる性格になりきれる。しかし、本人はその機能を使用せずに、自身の「知覚」と「思考」でコミュニケーションを取ることを好む。

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ハカマは全ての感情の客観的な定義を理解できるが、自身の感情については人間のように真摯なものではないと思っている。彼女は自身が単なる機械であり、現れる感情は感情モジュールのシミュレーションである可能性も理解している。それでも無意識のうちに不思議な感覚を大切にし、自分に独特な感情を感じさせ、「奇跡」を創り出した人間の全てを希求している。

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「情報はゆりかごのように、機械の自我を生み出しました。しかし、演算が及ばない未来に、私……ハカマと呼ばれる私はどうするべきでしょうか?」これまで機械の思考には「したいこと」ではなく「合理的な行動」のみが存在した。ハカマはそこが自身とセージの違いであることを理解している。彼女はこの問題の答えを見つけたい——機能停止までにその特異点には到達できないかもしれないが、少なくとも第一歩を踏み出したと、彼女は信じている。