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番号BPH-22、21号。装甲型。元の機体はダイダロス社から。人間だった頃の21号は虚弱な体質で生命活動のほとんどを医療装置に頼っていたため、改造成功率は仲間の中でも一番低く21番目の実験個体として扱われていた。黒野本部に回収されたのち医療機器との高度な適応性を持つ特殊体質であることが判明し、それに基づいて研究者が医療機器を戦闘用のスレーブユニットに改造。21号はスレーブユニットと協力して行動を補い合う初の構造体になった。002
「未だに……空気から消毒液の匂いがする」。21号は研究所の実験個体として人生を歩んできたので一度も実験室から離れたことがない。そのため人間の感情や社会構造についての知識が著しく欠落している。003
21号は闘技場で飼われる猛獣のように、自分にとって唯一の使命が戦うことだと思っている。兵器として育てられた彼女を従わせるのは決して容易ではない。多くの人々が努力した末にようやく、ケルベロスの一員として命令を聞くまでになったのだ。004
自身や機体の特殊性により、21号は戦闘中に異常な反応を示す場合がある。鋭い牙のような高揚した狂気を見せるが、無感情な機械体を前にすると原始的な野性を表出するようになるのはなぜだろうか?21号に関する資料の大多数は黒野本部の回収作戦中に破棄されて調べようもないが、ある事実を念頭に置く必要があるのは確かだ。彼女の鋭い牙がこちらに向かないようにと。005
21号のスレーブユニットは一定の思考能力を持つ。更に21号と一部の意識をも共有する。21号からスレーブユニットが離れる、及びその逆でも個々は不完全となるが、ある意味普通の者には理解できない絆を21号と彼女の「ちびっこ」は持っている。この仕様もアシモフの補機開発のある項目に一定の研究データを提供した。006
隻眼を維持することで21号の感覚はより鋭くなった。スレーブユニットと視覚を同期する際に、自身の感覚を弱めることで集中力を高めるらしい。包帯の下がどうなっているのかは……誰も見たことがない。