清商の秘密1
ハカマに家事のノウハウを訊ねたところ、広い部屋での害虫駆除の方法をレクチャーされた。含英は言われた通り真面目にこなしていたが、ふたりが機会教会で小さな騒ぎを起こしたため中断せざるを得なくなった。清商の秘密2
初めて夜航船の舞台に立った時は、剣や傘、扇子等のさまざまな小道具を用いていた。その後何年も舞台に立ち続け、最終的に扇子を選んだ。「剣は鋭く、傘は柔らかすぎます。九龍人たるもの、常に折中の道を選ばねば。」清商の秘密3
料理の腕前はかなりのもので、その電子脳には夜航船独自のレシピが数多く記録されている。特に蒲牢が好んでいることから、100種類以上の点心の作り方も記録されている。清商の秘密4
舞踊に興味を持った機会教会の機械体から、相談を受けたことがある。彼女はその全ての機械体と真剣に向き合い、九龍の歴史ある音楽や伝統舞踊を紹介するデジタルパンフレットまで作成した。清商の秘密5
小動物が好きで、中でも猫を好んでいる。猫の歩みは軽やかで美しく、踊りの動きと似ていると思っているからだ。清商の秘密6
データによる学習ではなく、人間と同様に読書や実践を重ね、年月をかけて九龍の伝統について学んでいる。「九龍に関して含英が知らないことはない」といってもいいほどの知識量だが、彼女がそれをひけらかすことはない。誰かが誤った情報を話していた時も、慎重に言葉を選んで軽く訂正するだけにとどめていた。清商の秘密7
機械教会の首席技術者「魔術師」はこう語る。「認めたくはないがヴィリアーってやつは天才だ!設計も製造も何もかも……どう考えても天才としかいいようがない。我々は半世紀前の九龍の製造レベルにさえ達してないというのか……!」清商の秘密8
踊り子だった頃は絶大な人気を誇り、よく「おひねり」をもらっていた。しかし周囲を助けたり、蒲牢の構造体手術を完成させるために使用したため、今ではもうほとんど残っていない。清商の秘密9
彼女の生涯は「夢」と絡み合っているが、彼女自身は「夢」があまり好きではない。清商の秘密10
最もよく言われる言葉は「優しい」である。その優しさは覚醒時の「心」から生まれたものもあれば、生と死を目の当たりにして芽生えたものもある。清商の秘密11
機械体でありながら「涙を流す」という機能を持ち、驚くべきことにその涙の成分まで人間と同じである。清商の秘密12
含英が夜航船から持ってきた今の衣装が、彼女にとって唯一「自分のもの」といえるものである。