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ノアン: 逆旅

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逆旅の秘密1

幼い頃は書庫で大量の漫画を読んでいた。中には一風変わった内容のものもあったからか、どのような作品でも受け入れられるようになった。特に仲間から勧められたものは、必ず最後まで熟読する。

逆旅の秘密2

バッグのスペースを確保するため、梨の花を挟んだ漫画を075号都市に残していったことがある。その漫画を見つけたのは、調査に訪れたグレイレイヴンだった。その後、漫画はノアンに回収されたが、210号都市で重傷を負った際に失くしてしまった。

逆旅の秘密3

今でも時々昔の夢を見る。しかし、今のノアンはそれが夢であることをはっきりと自覚し、すぐに目を覚ます。なぜならその夢の中で、彼の手にある蛍が傷ひとつないからだ。

逆旅の秘密4

生き残るために数えきれないほどのスキルを身につけたが、料理だけは例外である。構造体になるまでは美味しく作る必要がなかったからだ。今はレシピさえあれば、それなりに作ることができる。ただ、食材が無駄になるのが嫌で、無意識に切れ端を食べようとすることがある。

逆旅の秘密5

どうすればいいのかわからない時は、真顔で冗談を言って話題を逸らす。表情があまりにも真面目すぎるため、相手が本気にすることがよくある。ありえない冗談を言う時は、最初に「ひとつ、秘密を教えようか」と言ってしまう。しかし相手が本気で信じてしまうと、すぐに弁明し始める。——間に合えば、の話だが。

逆旅の秘密6

輸送隊の仲間に人を慰めるのが上手いと褒められたことがあり、飲み会ではよく酔っ払いの相手をさせられる。ノアン自身は酒が飲めないが、だからといって助けや話し相手を求めてる人を見捨てたりはしない。

逆旅の秘密7

泣いている人を相手するのが苦手。嘘泣きかどうかも見分けられない。泣いている人の前では冷静を装いつつも内心は焦っているため、普段なら頷かない要求にも頷いてしまう。

逆旅の秘密8

来世があるならカモメになりたい。しかし構造体になる前は、海もカモメも見たことがなかった。

逆旅の秘密9

13歳までは、N車両の頑固者として有名だった。何度か無茶な抗争を起こしたことがあるため、周囲に「イガグリ」と呼ばれていた。しかし当の本人は栗のイガも、栗のトゲに刺された人も見たことがなかったため、自分のことだと気づいていなかった。

逆旅の秘密10

特に色へのこだわりはないが、白くて清潔感のあるものを好む。白い織物や、鳥の白い羽、澄んだ空、きれいな紙……しかし純白の中で唯一嫌いなものが雪であり、特に果てのない雪原を嫌っている。

逆旅の秘密11

親しみやすく、人間だった頃も仲のいい仲間がたくさんいたが、深い想いを抱く友人は少ない。感情というものに少し鈍感で、常に受け身のため、知り合ったばかりの相手に衝動や情熱をぶつけることはない。相手をよく知ったうえで距離を縮めていくタイプである。

逆旅の秘密12

親しい仲間には素直に自分の感情を伝える。自分の言葉で相手が面白い反応を見せると、次はその言葉でいたずらをしたくなる。まだ子供じみた一面があることを自覚しているが、友人に隠すつもりは一切ない。