001
塵銘はオブリビオンの技術者が独自に開発した機体。機体名には「塵世の烈士を銘記する」という意味が込められている。ワタナベの要望に合わせて機体の安定性を重視し、耐久性と出力を大幅に向上させた。002
機体の動力コアには超伝導素材が使用されており、蓄積された膨大なエネルギーを瞬時に放つことができる。ワタナベはこの特性を活かし、多くの特殊な戦術を用いて仲間を守ってきたが、機体の損傷を見たオブリビオンの整備員からは「その戦術は使わないでほしい」と強く言われているらしい。003
バラードがワタナベに贈ったこの機体には悪意が潜んでいた。バラードは厳重に保護されているはずの動力コア装置に小型爆弾を仕込んでいたのだ。だがそれは、機体が起動する際に解除された。004
さまざまな状況に対応できるように、機体には自己修復モジュールが搭載されている。極端に危険な状況下では中枢システムが自動的に他パーツへの電力供給を遮断し、意識の安定性の維持を優先する。構造体の安全性を最大限に高めた機体である。005
オブリビオンは塵銘を開発するにあたって、科学理事会とはまったく異なる設計ロジックを使用した。そのため、機体使用者による緻密な出力の制御が求められる上、ケアレスミスでも機体が爆発するリスクを孕んでいる。しかし、初回起動時からこの機体を巧みに扱っているワタナベにとっては、戦場での試練の方が遥かに厳しく、その点は大した問題ではなかった。006
塵銘が悪意から生まれたものであったとしても、ワタナベはすでにその憂いを断っている。彼は死の川を渡ろうとも、どのような逆境に遭遇しようとも、何度でも再び戻って己の信念のために永遠に戦い続けるだろう。その全てはいつか煉獄の山頂へ立つため、そして最初の約束を果たすため。