塵銘の秘密1
新機体を使い始めてから、なぜかワタナベに向かって「おじさん」と呼ぶ人がいなくなった。塵銘の秘密2
新機体は夜刃のようなオッドアイではなかったが、あの外見に慣れていたワタナベは自ら技術者へ連絡して以前の色へと戻した。現在、青い瞳は眼帯の下に隠されている。塵銘の秘密3
最近、拠点の食事の栄養バランスに対する声が高まっているため、家畜の飼育を視野に入れている。しかし、黄金時代の飼育施設は完全に廃墟となっており、侵蝕体に襲撃されたらひとたまりもない。更に自衛できる飼育員を育てるのも容易ではないため、頭を悩ませている。塵銘の秘密4
実は幼い頃から上流社会のマナーを学んでいた。今では披露する機会はなくなったが、誰かに頼まれれば喜んで教えるだろう。塵銘の秘密5
ワタナベは父親からカミソリの使い方を教わり、常に身だしなみを整えるよう言われていた。構造体となってからは毎日髭を剃る必要はなくなったが、毎朝手入れをする習慣は抜けきっていないようだ。塵銘の秘密6
時折、拠点の子供たちに手を引かれ、かくれんぼの最後のひとりとして参加させられている。塵銘の秘密7
黄金時代のさまざまな名曲の歌詞を覚えており、時折ノートに書き写している。偶然そのノートを拾ったオブリビオンの兵士によって、愛の詩集として拠点中に吹聴された。塵銘の秘密8
青年時代はSF小説に夢中になり、関連技術の理論にも精通していた。その後、これらの空想的な理論が軍事目的で実現されていくのを目にして、喜びと悲しみを抱いていた。塵銘の秘密9
地上の各武装拠点に多くの知人がいる。中にはワタナベをリーダーとして招く声も多かったが、彼はその全てを断った。その後、いくつかの武装拠点のメンバーがオブリビオンに合流したが、それ以外のメンバーと現在でも良好な関係を保っている。塵銘の秘密10
塵銘にはバラードが手を加えた痕跡もあるが、ワタナベへの配慮も感じられるため、この機体に複雑な思いを抱く。もしバラードが同胞に銃を向けなければ、全てがまったく異なる展開になっていたかもしれない。塵銘の秘密11
過去の恩怨を全て清算したが、今でも空中庭園の人々との交流は好まない。ワタナベの部屋へ出入りできるのは、とあるひとりの指揮官のみである。塵銘の秘密12
バラードとの戦いを経て、ワタナベは心の重荷を徐々に手放していった。彼は全てをひとりで背負うのではなく、仲間と進退をともにすることを学んだ。