ここで時間を無駄にする必要はないな
あの子はもう戻った
——▆——▃——▆▇
「クジラの歌」が再び響いた
バンジの表情が厳しくなっていく
ここで立ち止まって、戻る?
じゃあ、限界距離に到達する前に……
ふわぁ……どうやら僕が言わなくてもわかってるね
通信機にリーの姿が現れた
彼は素早くこちらの様子を確認し、ほっとひと息ついたようだ
無事でなによりです
赤潮の源流をたどると……了解しました
指揮官の判断を信じています。ルシアとリーフにも伝えておきます
あまり時間の猶予はないかもしれません。防御装置が限界を迎える前に、できるだけ速やかに戻ってきてくださいよ
そこの、ストライクホーク隊員
あ……なんだい?
僕たちの指揮官を――
リーが言い終わるのを待たず、バンジは答えた
うん、わかってるってば
通信終了
さぁ、行こう
ここを乗り越えよう
たとえ、あそこに何が待ち受けていても