Story Reader / 外伝シナリオ / EX02 極夜再臨 / Story

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EX02-2 もうひとつの支援

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指揮官、私たちの他にも撃墜された輸送機があるみたい。墜落地点はそれほど遠くはない

敵を撃破したロゼッタの提案に従い、まずは他の空中庭園の人員との合流を目指すことにした

雪上を移動するロゼッタは、歩いているというより漂っている状態に近い

こちらの視線を感じたらしく、ロゼッタが振り向いた。少し戸惑ったような顔をしている

人馬の装備か……空中庭園の人間は本当に好きなのね。毎回同じことを訊かれる。……航路連合の人間とは真逆だ

詳しいことはよくわからないけれど、アシモフという人間が「人馬のセットは空中庭園ではカバーできない」というようなことを言ってたと思う

でもその代わり、今のスピアも大盾も特別に改造されたもので、出力は人馬型と比べても遜色はない

……そう、ありがとう

心なしか、ロゼッタの顔が赤くなったようだ

墜落機までは少し距離があるし、道すがら、この極地で起きたことを説明しようと思う

あなたも知っているように、地理的な要因で、極地には大規模なパニシング高濃度区域がほぼない。人々はたまに上陸してくる侵蝕体や「潮」さえどうにかすれば、生きていける

漁師たちがつけた名前。海の潮汐のように定期的に襲ってくる「波」よ

原因はわかってない。航路連合のあちこちにどこのものとも知れないバイオニックが突然現れ、あらゆる物を破壊する

毎回の破壊の程度はまちまちだけれど、基本的にはバイオニックを掃討してしまえばその時の「潮」は終わる

だから、今回空中庭園に航路連合の救援要請が届いたと聞いた時も、いつもの「潮」のことだと思っていた。でも実際に報告を見たら……

今回は「潮」では済まない。航路連合を根こそぎ浚うような狂濤よ。バイオニックの動きの速さは、想像を絶している

いや、その可能性はないと思う。このバイオニックの無意味な運動は、もうずいぶんと長い間繰り返されてきたものだから……

バイオニックはどれも航路連合の廃番で、多少の現存は考えられるとしても、これほど多くの数が現れるのは理論上ありえない

エステバン、誰かこっちに来るぞ……

あっ……やっと見つけた!首席、首席さーん!

「潮」に関する考察は、突然の声に中断された。見れば、すぐ近くに男女ふたりが立っている。その後ろには6人乗りの雪上車も見える

識別コードを照合……指揮官シーモンと構造体エステバン?

その通り!私たちは航路連合を支援するために地上基地から移動してきたんだ

私はエステバン。所属小隊の方が負傷やら何やらで作戦に加われないから、今回は臨時の編制なんだ。首席さんにお会いできて光栄だよ!

首席……?

[player name]は士官学校の首席卒業生だよ?知らないの?シーモンとか同期の人たちは皆[player name]を首席さんって呼んでるよ

僕の自己紹介を横取りしないでくれ

僕はシーモン、指揮官のシーモンだ。首席どのと同じで、急遽派遣されて隊を率いてる。うェ……すまない、少し乗り物酔いしていて……

シーモンは話している間、ずっと頭を下げっぱなしでひどく具合が悪そうだ。対してエステバンは、興奮を抑えきれない様子でこちらにまとわりついてくる

照れることはないよ。首席さんと首席さんの小隊の戦績は本当にすごいんだもの

うんうん!よろしくね、首席さん!

ニコラが言っていた「先行地上部隊」というのは、あなたたちのこと?

そう。もう1週間近くここにいる……

なるほど……私たちは撃墜された輸送機の搭乗員を探していたんだけど……

それなら心配いらない。ロゼッタは私が言ったことちゃんと聞いてなかったな?

え?

さすがは首席!そう、私とシーモンは輸送機の撃墜に気づいて救援に回ってたんだ。首席さんたちは最後の救援目標だよ

もちろん!皆ほぼ軽傷だった

エステバン、最後の目標とも合流できたんだ、早く戻ろう。いつまでもここにいる必要はないだろう?

そうだね。じゃあ、首席さんとロゼッタ、ついて来て。航路連合の船長総代表を紹介する!

なんだかエステバンの方が指揮官らしい気がする……