Story Reader / 外伝シナリオ / EX02 極夜再臨 / Story

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EX02-3 船長と潮

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航路連合の拠点までは雪上車で1時間ほどだった。拠点の周囲には壁と砲台が設置されており、海側には武装艦船が停泊している

……空中庭園の応援は負傷兵ばかりじゃないか!

車から降りて拠点に入った途端、護衛を連れた男が目の前に立ち塞がった。男は非難がましい口調でやたらと喚いている

どうやら救出された友軍兵は皆、この拠点に収容されているようだ

皆軽傷だし、すぐに戦闘に参加できる。私たち空中庭園はそんなにヤワじゃないし!

男の不満などどこ吹く風で、エステバンはいつもの調子で答えた

それに、もうひとりの指揮官も到着したし。これで私たちの戦力は万全だよ!

散々聞かされた「首席」か……後ろのお前がそうか…………ヒィ!

…………

お前……お前は、ロゼッタ……なぜここいる!

ロゼッタに気づいた男は恐慌状態に陥ったが、人の目があることに気づいたのか、膝の震えを抑えて懸命に踏ん張った

久しぶり、船長総代表

対するロゼッタは、大した反応を返さなかった。ほんの少し、軽い溜め息を吐いただけだ

指揮官、こちらは航路連合の船長総代表シュテッセン。今回の救援要請は彼が出した

ゴホン……初めまして、首席……名前は確か[player name]、といったか

ロゼッタではない、守林人だ……俺はお前らのようにこの罪人たちと冷静に向き合うことはできん

まあまあ、自己紹介はここまで!船長総代表、首席に現在の状況を説明してくれないか?

いいだろう……ある程度のことはロゼッタから聞いているだろうが、念のため最初から話そう

現在の航路連合は、度重なるバイオニックの襲撃によって崩壊の危機に瀕している。今回の「潮」を甘く見た結果だ

崩壊に瀕している……?なぜそうまで深刻な状態に?

フン、守林人が力不足だからじゃないのか?

バイオニックは物凄いスピードで連合の倉庫とエネルギーパイプを占領した。もともと貧しい土地なんだ、これは致命傷と言っていい

それに、一番厄介なのがバイオニックが一体どこから来るのかがわからないってことだろう?

うっ……

わからん……なぜ急に大量の廃番バイオニックが現れたのか……さっぱりだ

ふた月だ

つまり、ふた月もの間隠していた……最後の最後、どうしようもなくなってからようやく空中庭園に救援を要請したと

……ふん

おいお前、マップを持って来い!

シュテッセンは護衛に指図し、投影端末をセットさせた。すぐに航路連合全体と周辺地形のホログラフが浮き上がる

丸いマークが占領されたエリアだ。空中庭園には、これらのエリアの奪還を頼みたい

敵の数がこちらより多いのは間違いない。被占領エリアには軽く見積もってもバイオニックが60以上はいる

俺はプロの戦闘員じゃないからな。同行しても何の役にも立たん

……ディアンナたちは?

守林人は外で遊撃戦を展開しているよ。先日直接話し合って決めた方針だ

乗り物酔いでぐったりしていたシーモンも、ここへ来てようやく調子を取り戻しつつあるようだ。彼はマップの上に守林人の巡回ルートをマークしていった

シュテッセン船長総代表の説明で、首席どのも状況を把握できたはず。それで、僕からの提案としては、二手に分かれて行動するのはどうだろう?

そう。被占領エリアはパイプラインのようなもので、それぞれ相互関係がある。どこか1カ所だけ解放したところで意味はないんだ

一緒に行動するのは効率がよくない。今回の敵は侵蝕体ではないし、分散作戦の方が妥当だと思うよ

なるほど……指揮官らしいことも言えるのか

うっ……僕は正真正銘の指揮官ですよ、ロゼッタさん……

シーモンの言葉に、ロゼッタはいまだ懐疑的だ。出会ってからこれまでの間、彼女にとって彼はただの「乗り物に酔った人間」だったのだから

頼りなさそうに見えて、シーモンの戦術編成はなかなか悪くないんだ。とにかく、それでいこう。私たちは右のエリア、首席さんたちは左のエリアをよろしく

早急に被占領エリアを奪還して、航路連合の平和を取り戻そう!

私にも異論はないけれど、その前に準備しないといけないものがある

あなたを守るための装甲