Story Reader / 外伝シナリオ / EX01 グランブルー / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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EX01-4 鬼さんこちら·偽

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足跡の歩幅は忙しなく、進行方向も定まっていないように見える。それに、ビーチの装飾物にしょっちゅうぶつかっているようだ

つまり、足跡の主は、追われることに不慣れな構造体であるということ

誰であれ、ここまで慌てているということは追跡する甲斐がありそうだ

はい

どうぞご命令を。ストライクホークは全力でお応えします

了解です

循環液の足跡は左右に分かれたあと、遊園地のメインゲートに向かっていた

戦闘の痕跡は見当たらない。というよりも、戦闘能力がないようだ

人型、アジア系、男性。遊園地の入口にいます

様子を見ていますが、取り押さえますか?

想像通りだった

その構造体は追跡されることに慣れてない上に、かなりの損傷を負っているようだった

事情を訊ねる前に、緊急メンテナンスを受けさせるべきだろう

全員

了解!

リーに拘束されたのは黒いコートを羽織った男性だった

拘束というのは正確ではない。リーフの緊急処置のために、押さえているだけだ

どうやらきちんとした逆元装置は備わっておらず、動作構造も最新の設計ではない。むしろ、アルカディア作戦時の設計を彷彿とさせるような

……ダイダロスの技術だろうか?だが、粛清部隊は任務中で、ビアンカに確認する術はない

……

……

返事はない

まあそれも想定内だ

生憎、この男がどこの誰だか解明できそうな者は、この場にはいない

もしアルカディア作戦当時に設計された構造体なのであれば、空中庭園の誰かが詳細を知っているかもしれない

期待はできないが、訊くだけ訊いてみることにしよう

……空中庭園の公共チャンネルで、情報提供を求める

あ?お前たち、休暇じゃなかったのか?……まあいい

何事だ?

少し待ってろ

……

何だこれは?どうやったらこの機体で侵蝕体の攻撃に抵抗できるんだ?

ずいぶんと俺の好奇心をくすぐってくれたな。リーフは緊急処置中か?

リーフの逆元装置を拝借して、スキャン強化、と。……見つけた

……昇格ネットワークだな

イエス、と言いたいところだが。曲(キョク)を知った今となっては、例の「昇格者」のお仲間とも言い切れん

お前の端末のスピーカーを借りるぞ

……

おい、聞こえてるだろ?

昇格ネットワークの信号は確認できた。だが、お前の機体に組み込まれたバックドアは一体何だ?

……殺せ、私が死ねば自壊する

自壊すれば、あのルナ様の手に渡ることもない

どうせお前たちも私同様、厄介払いのための犬だろう?話してたまるか

「ルナ様」と関係してるってことだな?

……とぼけるな

お前の目の前にいるのは、空中庭園の執行部隊だ。「ルナ様」とやらの手下じゃない

[player name]、証明してやれ

……なぜ、空中庭園がここに?

男は半信半疑の眼差しで、自分を囲む者たちを見回す

本当に昇格者とは関係ないのか?

……昇格者じゃないなら、もしかして……

その刹那、黒い影が空中から落下し、砂塵が舞い上がる

指揮官ッ!!

ルシアは指揮官を掴むと噴射装置を起動させ、砂塵の中から連れ出した

やがて砂塵が鎮まり、人影の正体があらわになる

現れたのは、よくよく見知った昇格者――ロランだ。ロランは男の前に飛び降り、男を突き飛ばした

そのまま男を担ぎ上げ、後方に控えていた2体の侵蝕体に向かって投げた。侵蝕体はすぐさま男を取り押さえる

——ロランは振り返ると、常と変わらぬ楽しげな瞳をこちらに向けた

Hola、amigos(やあ、こんにちは)

元気そうで何より

君たちをぶっ潰す楽しみがなくなってしまったら、つまらないからね。……そう思わないかい?

そうさ、僕だよ

僕から言わせれば、君たちがいることの方が驚きなんだけれど

説明する必要があるかい?今日からここのオーナーは、僕たち——昇格者なんだからね

オーナーが自分の家にいる理由を、ゲストに説明するかい?逆に、呼んでもいないゲストがなぜ来たのか、説明してほしいね

ふざけるな。お前がいるのなら、何があっても逃すものか

嫌なゲストだね。典型的な迷惑客だ

だが生憎、僕はそういうの嫌いじゃないんだよ

――だから、ゲームをしようか