Story Reader / 外伝シナリオ / EX00 凍てつく闇 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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失敗作

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ズドォォ——ンッ!!!

ロゼッタの巨大な身体が弧を描きながら吹き飛び、港の倉庫に激突した

まだ、動ける?

ウ……ゥゥ……

衝撃で立ち込めた霧が、徐々に消散していく……

ロゼッタは再び立ち上がった。背中の翼を更に煌かせながら

α

そう……次が最後の一撃かしら?

では私も、一撃で終わらせてあげる

αが珍しく構えの姿勢を取る

ふたりの間の緊張感が最高潮に達し……

まさに攻撃が繰り出されようとした、その時——

――ロゼ姉ッ!!

イヴァンは危険を顧みず、ふたりの間に割って入った

どいて

無駄な殺戮はしたくないの

嫌だッ!!

イヴァンは気づかない。自身の背後のロゼッタには、ひとかけらの逡巡さえもないことを

ロゼッタはα目がけて突進した――

気勢鋭く、彗星のような一撃

ふん……!!

ロゼ姉を傷つけるなッ!!ッ!!ロゼ姉えぇぇぇ――ッ!!!

瞬く光の一閃がロゼッタをなでた。ロゼッタは意識を失くし……その場に膝折れた……

建物には、イヴァンとαだけが残された

……

……

しばらくロゼッタを見つめてから、αは刀を鞘に収めた

少年は髪を振り乱してロゼッタに駆け寄った。その身体に跨り、大声で名前を叫ぶ

と、その時、立ち去ろうとするαに向かって言った

あんたさえ……あんたさえいなければ……

……

コアは傷つけてないわ

好敵手のひとりくらいは欲しいと思っていたところなの……まあ、そのまま持ちこたえられればの話だけど……

イヴァンの横を通りすぎたαは、一瞬だけ立ち止まって振り返った

そう……最後の一撃の時……

彼女には、あなたの声が聞こえていたわ

αがいなくなった後も、イヴァンはロゼッタの名前を呼び続けた

そして、ようやく他の人々もその場に集まり始めた

一方で……闇に包まれた深海では……

一筋の錐状の光が現れ……

静寂の深淵で、微かに瞬いてた

皆さん、極めて強力な逆元装置信号を検知しました!

とても深い……海の底から……

う……

ロ、ロゼ姉ッ!?

ロ、ロゼッタの意識海が安定……いえ、思考モデルが……復元している……?

まさか……パニシングの除去よりも更に稀有なことですよ……

リーは傷口の痛みをこらえながら、ゆっくりと座り込んだ

い、いずれにしても!意識海の安定性が危険域を脱しました!

早く!ロゼッタさんのパニシングを浄化しないと!!

こ、こんな辺鄙な場所でそんなこと……だが……

皆が一斉に海の方向に目をやった——

う……けほ……ごほ……っ

その時、ルシアが陸地へと這い上がってきた

ル、ルシアッ!!

良かった……無事でしたか……

リーフ……リー……指揮官……?

皆……どうしたんですか?

皆、ルシアではなく、その向こうの遥かな水平線を見つめている

水平線には……

北極航路連合の艦隊だ……

それに……空中庭園の輸送機です……!