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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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伝説の執行者‐25

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あの、ひょっとして道に迷ったんじゃないですよね……?

魔王とリーフは魔将の城に向かっていたが、次第に周囲の景色がおかしくなってくるにつけ、リーフの不安は増していった

安心するが良い。魔王の力を見くびってもらっては困る

そうだといいのですが……

今は周りの景色を気にするよりも、足取りを早めたほうが良い。万が一敵と行き当たってしまったら、逃げることもままならぬ。魔将の城につながる道はこれをおいて他にないのだ

我らふたり……いや、聖女ひとりだけでは、衛兵の集団に敵わぬだろう?

最初に皆に状況を説明しておくべきでした……

あいすまん。かつての天啓の勇者のことがあるゆえ、勇者というものに対して警戒心があったのだ

ゆえに、初対面の時点でわしがお主を強制的に連れ去ってしまったわけで

はい。あれは本当に驚きました……

ということで、お主が悔いることではないのだ。お主の仲間たちがお主と同じように善良な者たちだというなら、いつか必ず会えるだろう

それはまた……ご期待に応えられなくて申し訳ないわ、魔王サマ

!?

お主らは……?

魔王に近づいてきたのは、赤髪の構造体――ヴィラだ。ヴィラの後ろには黒色の男、カムもいる

ヴィラとカム、どうして……いえ、ふたりは敵なんですか!?

仲間との再会を喜びたいところではあったが、リーフは以前戦った衛兵の話を思い出していた

そう、衛兵は言っていた。「ふたりの勇者」が国王の手下になった、と――

結局のところ、これは競争なの。勝利のためなら、私たちは一番早くて簡単な方法を選ぶわ

ふむ、やはり今回もこの手の勇者が現れたか。もう少しあとになってから迎え撃ちたかったが……おのれ、秘宝さえあれば……

秘宝なら俺が持っているぞ

カムがアイテムバッグから光り輝く宝石の欠片を取り出した。リーフにはそれが何だかわからなかったが、魔王は瞬時に理解した。あれは、最後の秘宝だ

カルナが負けるとはな……聖女、逃げるぞ

はい!

魔王の決断は一瞬だった。とにかく逃げるしかない。何があってもここで捕まるわけにはいかないのだ

リーフと魔王は駆け出し、来た道を戻っていく

最後の最後でウサギと亀の徒競走……よくってよ、お付き合いしようじゃないの