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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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伝説の執行者‐15

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まさか……勇者ごときに、このグランドンが追い詰められるとは……

回復薬の力を借りて城内を爆走した一行は、順調に第2の魔将グランドンのもとにたどり着いていた

先鋒の勇者ふたりが善人か悪人かはこの際置いておくが、後衛のお前たち……お前たちは本当に国王の言葉を信じているのか……?

カムとヴィラのふたりによって手下もろとも滅多打ちにされたグランドンが、傷口を押さえながらこちらに問いかけてくる

オレと指揮官に訊いてるのか?

そうだ。国王が良からぬことを企てていることに気づいているのだろう……?あなた方の会話の端々から、それがにじみ出ていた

なぜ疑いを抱きながらも、王に従うのだ!

メインシナリオ!?……かつての勇者もそうだった。勇者というのは、いつの世も不可思議な言葉を話す

もちろん、知っているとも……

あの国王こそが、真のモンスターだ。アレは我々魔将から秘宝を奪い、その力によってこの世界を支配しようとしている

この石ころのことか?

カムが宝玉を取り出して見せると、グランドンは歯を鳴らした

それこそが……女神より賜りし秘宝……我々魔族は、その秘宝によって種を存続させてきたのだ

そうだ。我々魔族の力が人間を凌駕したのは、その秘宝あってこそ

女神……いや、その名は封印された。書くことも、口にすることも許されぬ

秘宝によって、かつての魔族は魔王を召喚するほどの力を持っていた。本来の女神の思し召しは、力の均衡をはかることで世の平和を維持することだったのだが

……だが、魔王という存在が身勝手にも戦火を拡大させたことで、天啓の勇者が出現するにいたった。そしてついに我々は、終わりを迎えたのだ

そうだとしたら、「天啓の勇者」には一体どんな意味があるのかしら?

「天啓」ってのは、メインシナリオのミッションのことなんじゃないか?多分その時の勇者が、そうやって呼んでたんだと思う

そう……彼らは言っていた。魔族を哀れに思わないでもないが、ゲームで勝つためには、天啓を遵守せねばならないと

我々は、女神が与えたもうた罰だと考えた……まさか人間が秘宝を奪うために反撃したのだとは夢にも思わなかった

秘宝によって新たな魔王の召喚には成功したが、我々は譲歩した。秘宝を4カ所に封印し、一切の人間の立ち入りを拒んだ

拒んだって……でも今、私たちはここにいてよ?

それはあなた方が勇者だからだ。勇者だけが女神のルールから自由なのだ

なるほど……自分たちから動かないのには、色々厄介な事情があるというわけね

どうか、国王に利用されないでくれ。勇者だというなら、この世界のことを考えてくれ。我々魔族は、二度と人間を攻めたりしないと約束する

それから……もし国王のところに戻るのなら、伝えてほしい……魔族を放っておいてくれと

首に刀を突きつけても言うことを聞かないヤツはいる。俺は何人も知ってるぞ

……!?

考えてもご覧なさいよ。あの国王が、私たち「勇者」の話を聞くと思うの?

つまり、あなた方は私に応えてくれないということなのだな……?

俺たちも「天啓の勇者」なんだよ。さっさと秘宝をよこせ!