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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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伝説の執行者‐14

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はぁッ!

————!!!

ハセンが引き連れていた衛兵は、ルシアたちによってことごとく倒された。次の衛兵が前に出ようとした瞬間、ハセンが手を挙げて制止する

どうした?もう終わりか?

否。これより、更に重要なことをせねばならんのでな

いずれにしても、歓迎いたしましょう。遠方より来られし勇者よ

歓迎ですって?

廃墟に立つハセンが、ルシアたちに向かってその身分にふさわしい口上を述べる。威風堂々とした様子は、先ほどまで暗がりに潜んでいたとは到底思えない

ハセン……いえ、あなたが国王ですね

いかにも。遠方より来られし勇者たちよ……どれほどの年月、待ちわびたことか

魔族との戦いがいよいよ大詰めを迎えたこの時、我が姫リーフが魔王に囚えられたのです。4体の魔将を倒して魔王城の門を開けなければ、姫は救い出せぬ

あなたが課したいミッションについて訊ねた覚えはありません。私たちが知りたいのは、「あなたが何をしたいのか」です

待ってください、ルシア!

ルシアとハセンの会話は、位置がずれた歯車のようだった。微妙に噛み合いながらも、微妙にきしんでいる――初めに気づいたのはリーだった

どうしましたか?

メニュー画面を開いてください。僕たちのミッションは……

え、まさか……

リーの指摘に、カムイもまたハセンの意図を察知した。表示されたメニュー画面、パーティーのミッションが…………更新されている!

ミッション:魔王城の門を開く

どういうことですか……!

カムイ。どういうルールを用いればこうなるのか、あなたにはわかってるんでしょう?

うーん、いわゆる強制イベントってヤツかな。メインシナリオのミッションは拒否できないし

本来は、特定の場所で、トリガーになるNPCと会話することでミッションは発生する……コイツ、もしかしたら……

その通り。城の中で待っていても一向に現れないのでね。わざわざこちらから出向いたというわけだ

お前……ただのNPCじゃないのか?

無論、我は“NPC”だ

問いかけにハセンはNPCであることを殊更強調したが、その言動のひとつひとつが本来のゲームとは乖離しており、実は9人目のプレイヤーだと言われた方がよほど得心がいく

我はお前たちがゲームを始めた理由を知っておる。勝負をしていることもだ。我は決してお前たちを邪魔しようというのではない。ただ、勇者として行動してもらいたいだけなのだ

国王が賜るミッションをクリアするが良い

コイツが何考えてんのかはさっぱりだけど、とりあえず相当おかしなNPCだってことはだけは理解したぜ

だけどさ……いくらミッションだからって、本当にやりたくないことをやると思うか?リーフが関係するならなおさらだぜ?

……リーフなる勇者は、特別な素質を持っていたのだ。ゆえに、リーフはシステムによって「聖女」に選ばれた。それだけのこと

つまり、リーフにはプレイヤーとしての何か特殊なスキルが与えられた、ということでしょうか?

いかにも。我はその力を必要としておる

残念ですが、あなたの思い通りになる可能性は低いでしょうね

誤解しないでいただきたい。我に、遠方より来られし勇者へ危害を加える意図はない。ただ、この世界を制御せんがために、必要なものを得たいだけのこと

それがうまくいけば、お前たちのミッションも自ずとクリアされるだろう。お前たちは勝利を得、心湧き立つままにもとの世界に戻れる

いたずらに時間を浪費していては、もう一方のパーティーに破れるだけだぞ?

……ひとつ、聞かせてください。ゲームの世界を制御して、国王は一体何をするおつもりですか?

その問いに答えるのは、お前たちが我が望みに応えてからだ

では……これが私の答えです!リー!カムイ!

どうであっても戦うと言うのだな?

ルシアたちは武器を構え、HPゲージを持たない敵に突きつけた