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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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伝説の執行者‐1

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何やらおかしな場所だ。数歩進んでみて理解したが、どうやらこのあたりはゲームの「スタート地点」らしい

周囲には誰もいない。確かカムイは「チーム分け」があると言っていたが……

不安に駆られながらメニュー画面を開き、「パーティー」の項目をタップする

システム

プレイヤー:[player name]、パーティーメンバー:ヴィラ、カム、カレニーナ

………驚いた

夢にも思わなかった組み合わせだ

なんだよ?なんか不満でもあんのか?

前方から現れたのはカレニーナだ

予想外ね……

そして、右側からはヴィラ。刀を引きずっており、刀先が擦れる音が響く

待たせやがって

カムも左の死角から飛び出してきた

……3人に取り囲まれてしまった。3人とも夏仕様の塗装だ

ゲームのTipsによれば、それぞれの衣装はプレイヤーデータに合わせて自動的に出現する「勇者の装束」らしい

はあ!?あとのふたりが勝手にオレの真似しただけじゃねぇか!

それはそれで息ピッタリ

……イカれちまったのか?

なんとか絞り出した挨拶の言葉を全否定されてしまった

よし、おふざけはここまでだ。面子も揃ったことだし、すぐに城に向かうぞ

そうしましょう。……カレニーナ、先ほどの偵察で、城は見つかったのね?国王を探すの何だの息巻いていたようだけれど?

例のミッションってやつだよ。多分このゲームは、国王から任務を受けて、それで魔王を倒すとかそういうことだと思う

そうね、10分ほどは早かったかしら。構造体の方がロードが速いみたいだし、この様子だとおそらくグレイレイヴンは先を行っているわね

そうだ。さっさと追いつかなきゃならん。俺はあのバカに負けるつもりはないからな

偵察には出たが、城はなかったぜ

じゃあ、何してたのよ?

もちろん、あっちのチームをやっつけてやろうと思って探してたんだよ。ここがスタート地点なら、あいつらだってここらにいるはずだろ?

へえ……あなたがそんなことを考えていたとはね。それで結果はどうだったの?

手ぶらで戻ってきたんだからわかるだろ!一から十まで全部言わせる気かよ?

いいえ。あなた自身の口から、失敗を認める言葉を聞きたかっただけよ

この赤毛女……

いちいちじゃれるな。敵に気づかれるだろうが!

キィ!

「敵」ってなんだよ。他にもっと大事なことがあんだろ!

あなたにできるのかしら?

口を挟む間もない。カムは雄叫びをあげて大剣を放り、物凄い勢いで突進していった。カレニーナはヴィラに弄ばれ続けている

魔族

キィ!キィ!キィ!

……カオスだ

頭の中に、大きな文字が浮かび上がる

前 途 多 難