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All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.

伝説の執行者‐序章

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イエーイ、任務もひと段落したし、休みもらっていいよな!

装備を片づけたカムイは地面に倒れ込み、うつぶせのまま訊ねてくる。まるで大きな犬のようだ

リーフ

ですが、司令部からは待機するように言われてますし……お休みというわけには……

カムイ

機械のメンテとかなんとか言えばよくない?なあ、指揮官?

例のアーケードゲームのことでしょうね

僕たちをなんとか誘導して、ゲームセンターで遊ぼうとしてるんでしょう

リー、補給の方は順調ですか?

何も問題ありません。ヴィラもいることですし、やはり黒野の輸送ルートを使うと速いですね

つまり、カムイが言う「休み」というのは、私たち皆でゲームをするということですか?

その通り!指揮官たちは気づいてないと思うけど、セリカさんにゲームを改造してもらったんだよ!もとのやつより断然面白くなってると思う!

なーんも不安になることなんかないぜ!それにしてもさ、ゲームも改造できちゃうなんて、セリカさんってすごいよな!

もちろん、まだだよ!最初からみんなでやったほうが面白いに決まってるからな!

んで?どうする?行かないの?

私は……やってはいけないことだとは思いません

ルシア!?

たまにはリラックスすることも必要でしょう。本部も他の小隊に作業を引き継ぐようですし、あまり没頭しないようにだけ気をつければいいんじゃないでしょうか

どう思われますか?指揮官

わーい!ばんざーい!!

駄々って……子供扱いするなよな~!

よし!そうと決まったからには、早速行こうぜ!指揮官も入れて全部で6人だから、3対3に分かれられるな

待ってください。何のためのチーム分けかはとりあえずおいといて……「6人」とはどういうことですか?ここにはどう見ても5人しかいないですよね?

あとはカムだよ。アイツもめっちゃやりたかったみたいで。っていうか、もう先に始めてる

……何か、競争の類なんですか?

違うって!別に抜け駆けしたわけじゃないんだよ。アイツ、ずっとオープニングムービー見てるみたい

きっとカムはオープニングムービーが好きなんでしょうね……

ええ、そうです、指揮官。ゲームで遊びながら、カムとの関係性も深められる――つまり一挙両得です

???

待ちなさいよ

え?

談笑しながらそぞろ歩く一行の背後から、何者かが声をかけてきた。思わず振り返ると――

何やら面白いことをするらしいじゃない?ご一緒してもよろしくて?

オレもいるっつうの!

日差しの中に立っているのは、ヴィラとカレニーナだ。それぞれこの場にふさわしい塗装を装着している。この両名、始終ぶつかっているようで、その実なかなかに気が合うらしい

ふたりは何をしてたんですか?

そんなことはどうでもいいだろ。確かに聞こえたぞ。お前ら、サボるつもりだな?なら、オレを連れてけ!

はぁ、私に「私もいる」って言わせたいわけね?

てめぇ!

息ぴったりのふたりは、今にも武器を構えて一戦始めそうだ

私たちはカムイが薦めるゲームを遊びに行くんです。あなたたちが加わることに問題はありませんが……こんなに大勢でプレイできるんでしょうか?

大丈夫だと思うぜ。ゲーム説明にも人数制限のことは書いてなかったし、8人なら4人ずつに分かれられるじゃん!

では、決まりですね。先ほどからカムイはチーム分けのことを言っていますが……対戦ゲームなんでしょうか?

セリカさんいわく、「ドラゴン討伐RPG」らしいよ。チーム分けは、ミッション達成の早さを競うためなんだ

へえ?それなら、少しスパイスを加えてみるのはどうかしら?例えば、ミッションに失敗した者は勝者の命令に絶対服従、とか

ええっと、それは……

ヴィラ、また何かを企んでるんですか?

失礼ね。「スパイス」って言ったじゃない

そう言うヴィラは、先ほどからずっとこちらを見つめている

そうですね……指揮官はどう思われますか?

やりすぎはダメ、ね……アハ、よくてよ。約束してあげるわ、グレイレイヴン指揮官

私はいいと思います。負けるつもりはありませんし、指揮官だって負けるわけがありません。そうですよね?

俺は何でも大丈夫!じゃあ、改めて……レッツゴー!

はい、行きましょう!

まさか、皆で一緒にゲームをすることになるとは……

いい経験になると思います

————

ゲームセンターに到着すると、早速カムイが皆に説明を始める。説明通りにアバターを作成してから、それぞれが専用ゴーグルを装着し、VRの世界に入り込む準備が整った

リー

カムイ、チーム分けはどうなったんですか?

暗闇の中、リーの声が聞こえる

カムイ

チーム分けはランダムだってセリカさんが言ってた

リー

ということは、指揮官と敵同士になるかもしれないということですか?

カムイ

うん、まあそうだけど……指揮官が敵になったとしても、俺は手加減しないからな!

カムイ

ゲームに「手加減」なんて選択はないんだぜ、指揮官

へへ、言うじゃん?

このゲーム自由度は高いんだけど、正常な進行のためには、絶対に重要なNPCを殺しちゃダメなんだ

オープンワールドのゲームではよくあるんだけど……NPCがプレイヤーに殺されると、ゲーム内が大混乱しちゃうから

カムイがゲームの基本設定を終えたらしく、耳元から起動音が聞こえてきた

システム

起動……ゲームを――ロード「勇……伝……X」

システムが電子音を鳴らし、それから、目の前に生き生きとした世界が広がった

「伝説の執行者·GR」――だが、ほどなくそのタイトルにモザイクがかかり、代わりに別の文字が浮かび上がり、拡大していく――

「異国志~覇王の大陸」