ふぅ、これで完了……と
最後の侵蝕体が鎖剣に叩き斬られ、活動を停止した。ロランは持っていた銃をぐるぐる回しながら、ふと遠くを見た
通信音が鳴る
「目標は、指定地点まで誘導されました」
ハイジが連れてきたペットたちは、スカベンジャーをこちらへ引き寄せている
いいだろう。任された任務、このロラン様が真面目に取り組んであげるとしようか
開演だ
私はここに記す:
異合生物の戦闘スキルにおける学習能力は驚異的だ。再生速度も予想値に達している
パニシングの赤潮は計画通り地上に蔓延し、捕食し続けている。全ては順調だ
——この池で成長しているものは、パニシング自身の意志である
無数の異合生物が発生し、消滅したのを何度か目の当たりにして、私の思考回路はそう推論した
これなら、次の計画を始められるだろう
その前に、私は有能なツールを「創造」しなければ。そしてその強大な力を支配するためのターミナルが必要だ
ロランは異合生物に対して興味を示していた。彼に対して忠誠度テストを行い、私の実験の見学を黙認してやった
しかし、彼は実験結果に対して一切理解を示さず、ただ「昇格ネットワークの本質」にのみ注視している
なんとも愚かだ。それは我らごときが憂うものではない
我々の使命は昇格ネットワークの意志を伝達する、ただそれだけなのだ
だが、彼に昇格ネットワークの偉大なる宿願の理解を望むのは、どだい無理な話だろう
……