ラミアは全てを思い出した
彼女が生まれてから成長するまでを。この海上都市ですごした子ども時代を
皆が奇妙な猿を見るような目で彼女を見て、嘲笑った
彼女は常に自分は愚かだと思っていた。アトランティスは愚か者など必要としない。それを理解したラミアは慎重な性格になり、自分の挙動が誰かから嫌われることを極度に恐れた
特に、あのラストリアスという女性
彼女は自分に対して、いい顔をしたことがない
彼女との冷ややかな関係は長かった。それはずっとずっと続いた。あの不可抗力の事件が発生したその日まで――
――ラミアは今でもあの日を覚えている。その日、アトランティスに警報音が鳴り響いたのだ
アトランティスの潜行中、「パニシング」という病毒が世界を席巻したのだった