姉さん、怪我はない?
運動機能に影響はないわ。パニシングが修復してくれる
でも姉さん……なぜ動かなかったの?姉さんならあの爆発を止められたでしょ?
私を倒すために、どんな手を用意したのか見たかったから
あの目……前よりも強い意志を感じたわ
もうひとりの姉さんも、あの時ずっと姉さんを見つめていたわ
力を持たぬ者が、生き続けることはできない
それが姉さんの「選別」方法なのね……私たち、考え方が少し違うみたい
「選別」なんてどうでもいいことよ。第一、私たちにそんな資格があるのかどうか……
αは言葉を飲み込む。そしてルナから視線を外すと、崩れ落ちていく九龍城を見やった
姉さん……やっぱり、姉さんは優しすぎる
あなたもね、ルナ
ロゼッタ、起きてくれ、ロゼッタ!
ディア……ンナ……?
ああ、よかった……
目を覚ましたロゼッタは、自分が街の中にいることに気づく。自分を抱きしめるディアンナ、そして心配そうに覗き込む守林人たち……
皆……
どういう状況なのか、撤退したはずの皆がなぜここにいるのか――そう口にする前に、ロゼッタは答えを察した
ディアンナを始めとする守林人の、心配と怒りがないまぜになったような表情を見て、ロゼッタはそっと微笑んだ
どう、皆。変わりはない?
……皆が成長して、事態は好転している。ロゼッタ、我々は憎しみを乗り越えたのだ
この戦い……これからどうなるの……
街にいる皆が戦争の終結を心から望んでいる。その瞬間、人々の表情を微かに照らす光の壁の中で、一筋の軌跡が閃いた
その瞬間、ロゼッタを抱きしめるディアンナの腕に一層力が籠もった。もう二度と行かせないというかのように
ごめん……なさい
次はないぞ、ロゼッタ