長官、こちらが監視中のロゼッタです
………………
……
まさか監房で目を醒ますとは……一体どういうつもり?
ロゼッタ。お前には是非、我々の戦いに加勢してもらいたい
……どうやって私をここへ連れ込んだ?
守林人に伝えただけだ。ここであれば、目醒める可能性が高いとな。実際その通りだったわけだが……もしあの場に留まっていれば、半永久的に昏睡状態のままだったろう
昏睡……あれから、どうなったの?
あとで報告書を読むがいい。私に説明する義務はないからな……ロゼッタ、戦いに加勢しろ
……場所は?敵は?
場所は九龍コーポレーション、敵は昇格者だ。守林人たちも向かっている
ディアンナたちが……なぜ……?
生憎私はお前を満足させられるような回答を持ち合わせていない。ここに来たのは、お前という戦力を得るためだ
たとえ昇格者に力及ばずとも、いくらかは持ちこたえられるだろう。空中庭園のために、その力を振るうがいい
それが、「罪人」のお前をここに受け入れた、ただひとつの理由だ
……装備は?
人馬のセットは空中庭園の技術の範疇外でな。スピアは用意した。お前はただ、敵目掛けて突っ込めばいい……わかったら首肯しろ
ロゼッタは静かにうなずいた
よし、解放しろ
指示を受けた衛兵が拘束を解いた次の瞬間、目にも留まらぬ速度で動いたロゼッタはニコラの首を片手で掴み上げていた
こ、このッ!!!
ニコラ……とかいったな?ひとつ、はっきりさせておきたい。私は空中庭園のために戦うのではない
私を助けてくれた者たちのために、戦う
ふん……好きにしろ
ロゼッタ……なのか?ロゼッタ……本当に……?良かった……
……ええ。私よ、ディアンナ
αの刀の前に立ちはだかる、凛とした姿……間違いなく、ロゼッタだった。槍と盾を握り締め、かつてと同じようにαを見つめている
まさか……空中庭園はあなたに何をしたの?記憶の改竄?それとも上書きコピー?
私は私よ、α
ディアンナが何よりも後悔したのは、ロゼッタに寄り添い続けられなかったことだ。だからディアンナは、ロゼッタの言う通りにするのではなく、ロゼッタのようになると誓った
他の守林人も同じだ。守林人にとって、いついかなる時も「家族」より大切なものはないのだから
来ないで!!
な、なに……?
鋭い制止に動揺を隠せないディアンナだったが、すぐに、ロゼッタの周囲に黄金の粒子が舞っていることに気づいた。名状しがたい何か恐ろしい予感がする……
私がここで、αと後ろのもう1体を食い止める。あなたたちは応援に行って……それぞれに自分のなすべき任務があるはずよ
…………守林人、私に続け!
おお!
姉さん、行かせちゃっていいの?
いいといえばいいのだけれど……蚊帳の外に置かれたみたいで不愉快だわ。……ロゼッタ、あなたたちときたら、変わる変わる現れては私を不快にさせるばかり
代償を支払う用意はできているわよね?
いくらでも……ニコラ、お前が言っていた代物は、もう使えるの?
数は多くはないが、かつて部隊を率いたお前であれば、その真価を遺憾なく発揮できるだろう
御託は結構……さっさと渡して
話は終わった?じゃあ、始めましょうか……ロゼッタ