Story Reader / シークレット / 11 九龍夜航 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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11-3 曖昧

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カムイはもう舞台に上がったの……まさか、こんなに上手くいくなんて……

おそらく、嘲風です。多少なりとも便宜を図ってくれたのでしょう

……

しかし、嘲風が言っていた「外部応援」が、まさかグレイレイヴンだったとは……上は把握しているんでしょうか?

僕もついさっき知りました。そもそも兄さんたち、どうやって船にたどり着いたんだろう、周辺エリアでの任務もなさそうだし……

リーやグレイレイヴンに挨拶しなくてもいいんですか?

ええ、このまま兄さんを見ていられればそれでいいです。それに、今の状況の方が面白いし

面白い……ですか……

交易会の会場にはかなりの人数が集まっていて、「構造体商品」が登場する度に喝采が巻き起こっていた。警備の機械傀儡が、会場を縫うように巡回している

船に縛られているというのに、ずいぶん熱心なものだな。操られているのか、それとも夢に毒されているのか……

司会

続いての登場は――

クロムが思考の海に沈んていると、機械傀儡がカムイの商品番号を読み上げた。ふたりは一斉に舞台に目を向ける

……

……

舞台には、女装したカムイ。そして、いつもとは趣の違う服で着飾ったルシア……

はは、まさか、兄さんたちも同じことを考えてたなんて

マーレイはどこか嬉しそうだ。クロムは舞台を見やりながら、特化装置で「潜在的危険」を捜索する

ふと、こちらに気づいたカムイがウインクを寄越してきた

キランッ!ほら、隊長ぉぉぉ~~……キラリッ!

(何やってるんだ……)

クロムは叫び出したい気持ちを必死に抑え、身振り手振りで「淑女らしくない」行動を止めるよう指示する

しかし、その意図はまったく伝わらなかったようで、カムイはクロムに向かって勇ましく親指を立てた

ルシア。隊長がさ、ルシアには負けるなよって

え?

次の瞬間、カムイはセクシーな女優よろしく思いっきりスカートを翻し、会場を沸かせた

カムイ!!!!

ついに我慢できなくなったクロムが、怒声を上げる。だが、カムイはそれを「声援」と捉えたようで、ますます動きに拍車をかけた

皆様――お静かに――!

その一喝で、会場はシンと静まった。叫んだのは、嘲風とよく似た装束の九龍衆だ。九龍衆は、高台に掛かっていた幕を上げた

……

クロム……あれは……

……嘲風が言っていた「曲」で間違いないでしょう

おそらく、兄さん……いえ、グレイレイヴンも動きます。動きを合わせて、会場を撹乱しましょうか

まずはグレイレイヴン指揮官と連携します

……

通信を終えると、クロムは身につけていた服を裂き、大鎌を取り出した。突如として現れた招かれざる客に、会場の客は慌てて逃げ惑う

百戯班構成員

——

ルシアたちは曲を確保したようだ

機械傀儡がクロムを包囲し始める。九龍衆は曲を拉致したグレイレイヴンに標的を定めたようだ

グレイレイヴンの目的も制御室だ。早急に機械傀儡を排除し、我々も向かおう

ですが、我々は……当面ここを出ることすら難しい……

だから、私が来たのだ

まさか、助太刀してくれるのか!?

ふん、手を握り合ったではないか