隊長……
やはり、もう死んでいたか
町の侵蝕体の群れを撃退すると、輸送車は火の粉が舞う廃墟の傍らで停車した
制服を着た少女の破れた皮膚の下から、陥没した機械構造が露出していた。大量の循環液らしき液体も乾ききっている
彼女はすでに息絶えていた
彼女の側には、侵蝕体の死骸が山のように積み重なっている。侵蝕体との激しい戦闘の末に力尽きたのだろう
どこか掴みどころのない寂しげな様子で、彼女は鋼鉄とコンクリートの残骸の中で静かに横たわっていた
やっぱりな……
傭兵たちは何度か彼女の様子を確認し、「もう動かないな」と、ありふれた消耗品について話すように言った
行こう
彼らは興味を失い、その場を離れようとした
連れていくんですか?えっと……その子はもう……
知り合いではないが、これほどの戦士だ。侵蝕体だらけの場所で眠るべきではない
構わんさ、この程度の重さなら問題ない
皆の手を借り、彼女を輸送車に運び込んだ。車のエンジンが轟音を響かせ、再び141号都市へ向かって走り出した
拾われちゃった
彼女は遠ざかっていく輸送車を見送った
侵蝕体を掃討し終えた少女は仲間がいたはずの廃墟の側へやってきたが、そこにはもう誰の姿もなかった
一定の周期ごとに、傭兵たちに護衛された輸送車が141号都市へと向かう。そして、「会社」の専任者が「教師」として、彼女たちの暮らす場所へ派遣される
恐らく……先ほど拾われた仲間も、そこへ連れていかれるのだろう
少女は軽く伸びをした。あの人間と同調してからの戦闘は驚くほど楽だった。知らず識らず、彼女はその相手に興味を抱いていた
さ~て、また会えるかな?楽しみだな~
ね、センセ?