Story Reader / 叙事余録 / ER06 薄明射す闇塔 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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ER06-20 背水の陣

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鉱井深部

監視室

ドン――

ブリギットはこの場所へ突撃するかのように戻ってきた。ドスンと椅子に腰掛け、あちこちをガタガタといじって監視室のシステムを起動させた

更にキーボードを叩きつつ、体中をごそごそと漁った

ポータブルハードディスク……ポータブルハードディスクは……あった

早く……急いで……彼が戻ってくる前に……

スクリーンの起動アニメーションが終わると同時に、ブリギットもポータブルのデバイスをポートに接続した

システムディスク……監視時間……全て選択、切り取り……

プログレスバーが表示され、ホッとしたブリギットは唇をなでつつ、もう一方の手でキーを叩いて資料を次々と確認していった

実験プロジェクト……被験対象……被験者人数……

これは……何なの……

次々に流れる映像を見るブリギットの表情にあまり変化はない。だがゴクリと鳴る喉や、キーを叩くスピードが急に早くなった手が、彼女の本当の感情を表していた

そしてある瞬間、彼女の手が止まった。ブリギットは画面の中に、よく知る姿を見つけていた……

…………お父さん……お母さん?

彼女は思わず前のめりになり、唇が微かに震えた。ブリギットは操作のスピードを上げ、映像に関連する資料を次々と開いた

ソーイ、マリアン……救助員……入坑時間……

身分情報……処置内容……えっ……処置?

動きを止めて宙に浮かんだままの指先が、震えながらも強くボタンを押した。目を射るように鮮やかな赤い印章が、彼女の視界を引き裂いた

バイタルサイン消失、処置結果確認済み、署名者……

ブリギットが最後の数文字を確認しようとした瞬間、画面に突然ウィンドウがポップアップした

ピッ――

電子音

エラー……操作内容が機密情報に触れたため、プロセスが中断されました

プロセスの再開には、管理者パスワードを入力し、物理的操作でのロック解除が必要です

えっ……何?そんな……ちょっと!

ドォン――!

キャッ――!

突然の音が、ブリギットの張りつめた神経を揺さぶった。彼女はビクッと震え、目の前のスクリーンが一瞬で真っ黒になった

ブリギットは何かに気付き、息を荒くしながらゆっくりと振り返った。ちらつくスクリーンに、目の前に現れた人物の顔が映り込んでいる

スケッチ

見つけたぞ、ブリギット……

彼は先ほどの混乱した状態とは違い、なんとか意識を保っているようだ

スケッチ

お前はここにいてはいけない