Story Reader / 叙事余録 / ER06 薄明射す闇塔 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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ER06-20 背水の陣

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鉱井深部

巨体は轟然と倒れ、埃が巻き上がった

ブリギットはふらつきながら前に出て武器を構えようとしたが、力が入らず失敗に終わった

地面に倒れたスケッチの両目からは狂気が消え、そこには僅かな正気が残っていた

失敗か……私の職務怠慢だ……

いや……もっと以前、ノルマンの執事でありながら、黒野の陰謀に気付かなかった時点で、すでに職務怠慢だったのかもな

私はただ……その紋章に染みついたシミを……拭いたかっただけだ……

ガン――

ブリギットは唾を飲み込むと、武器を支えにしてスケッチの側へ近寄り、ひと息ついた

油で汚れたままなのを隠しておけば、汚れはどんどん染み込むだけなのよ……ハァ……ハァ……

本当の清潔さは隠すことじゃなく、誠実に態度を改め、磨き上げること……ハァ……過ちを地中に埋めようとしたって何の意味もないわ

もしかすると、あなたのしたことは――

ブリギットはゆっくりと語りかけながら、もう一度武器を構えようとした

職業理念としては正しいかもしれないけど、あなたは執事である前に、何より人であり……ここの被害者よ

被害者から加害者になるなんて間違ってる。もし、あなたが本当に自分の職務怠慢を嘆いているのなら、良心を踏み越えるようなことはやめて

…………

スケッチは気付かれぬほどに頭をもたげ、ブリギットをチラリと見ると薄く笑い、再び天を仰いだ

本当にそっくりだな……

何ですって……?

やれ、ブリギット。お前の言う通り、私は確かに過ちを重ねていたのかもしれない

改造され、意識海の混乱を言い訳にしようとしたが、自分でもわかっている。病的なまでの執念がなければ、今のような状態にはならなかっただろう

……欲しいものをくれてやろう

彼は最後に息を長々と吐き、沈黙した