空港
オーケー、じゃあ最後に、支援部隊の規則を復唱するわよ――
戦場において要請を正しく把握し、正確な連携、正確な保護、必要な支援を行い、如何なる希望も放棄せず!
よし!さあ行って!今回も私たちは必ず勝利を手にする!
オーッ!!
支援部隊の隊員たちは散開し、それぞれ割り当てられた任務へと向かった
あら![player name]!ルシア!
今回、リーとリーフは一緒じゃないの?
リーフは機体の定期メンテナンスの時期ですし、リーは他に任務がありまして
ふふ、やっぱりグレイレイヴン、皆忙しいわね
でも、以前の支援や協力なんかを除けば……
今回が本当の意味で、初めての協同任務になるわね
まあいいわ、私はちゃ~んと覚えてるから
[player name]、ルシア、初めての協同任務、よろしくね!
よろしくお願いします!
任務説明で言っていたノルマングループですが……彼らの準備はどうですか?
もう来てる……ほら、あそこ
約束の任務時間に合わせて、ノルマングループが提供した物資が送られてきた。眼鏡をかけた女性スタッフが、物資を仕分けて輸送機に積むよう、他のスタッフに指示している
トロイはいつものように腕を組み、輸送機の側に立っている。いつものように何を考えているのかわからない
振り返った眼鏡の女性スタッフはこちらに気付いた様子で、眼鏡を指先で押し上げると、ツカツカと足早に近付いてきた
こんにちは、私は今回のノルマングループの任務責任者です。ノルマン-タンタル部門研究室の責任者も兼任しています。アンジェとお呼びください
あちらの方は、今回ノルマングループの研究員を警備する、セキュリティ顧問のトロイです
あっ……こんにちは!私は……
自己紹介は無用です。皆さんのことは事前に伺っております。時間も迫っていますし
振り返りながら、彼女はチラリと端末を見た
私は引き続き物資の仕分けに戻ります。皆さんも当初の計画に従い、時間通りに集合お願いします
……
……ホントね
うーん……支援部隊には、ああいうマジメなタイプはほとんどいないわ
ふたりとも、予備物資の準備はもうできてる?
はい、私たちの準備は全て終わっています
そろそろ時間ね……私たちも出発しましょ!
空中庭園はコンスタンティンの街を正確に把握していたため、コンスタンティン鉱場の未崩落の場所を見つけるのは難しくなかった
風は荒れ狂い、荒廃しきった街は虚無に包まれていた
昔、私はここで公共輸送車を運転して生計を立てていたの……当時の大型輸送車、まだあるかしら
おおっ!姐御の故郷なんッスか?
ハハッ!そうよ!パニシングが爆発する前はここに住んでたの!その時はまだ小さかったから、何も覚えてないんだけどね
当時、ノルマングループはタンタル鉱石を保護するためにすぐに浄化塔を建設したの。だからこの辺りのパニシング濃度は、ずっと生活できるレベルに保たれていたわ
私の物心がついた頃には、両親はもう救助員となって、この近くで救助活動をしてたっけ
姐御のお母さんもスッゲー美人なんだろなー!
……あんたはちょっと黙ってよ。つまり、この浄化塔を修理すれば、再稼働できるってことですか?
理論上はそうなるわね
それならかなり任務が楽になりますね……
ブリギットの説明で、この街の全貌が明らかになり始めた
郊外に広がる荒野と奇岩、巻き上がる風砂、頑丈な街の門、懸命に周囲の被災者を街へ避難させた健気な住民たち……
唯一の欠点は、食料が全然足りないことね。この辺りじゃ食べ物が中々手に入らないの
幸い、私の大型輸送車も見つかったから心強いわ。特にフロント部分を強化してあるから、普通の侵蝕体はこれにぶつかったら、まず衝撃に耐えられない――
もうすぐ到着します、この先です
ずっと無言だったアンジェが突然口を開いた
倒壊していない建物が次第に少なくなり、更に先へ進むと小さく低い建物が目の前に現れた
……ここだわ
鉱場の中心的な建造物は、意外にも想像していたほど大きくはなかった
複雑な建造物は全て地下にあるの……最初の坑道入口は崩落してるから、復旧させるには最低でも3日は駐屯しないとダメね
ノルマングループから提供された建築初期の設計図によると……まだ崩落していない入口があるはずです
……用意周到だこと
ブリギットは出入口をあちこちに作っていたことを鼻で笑ったが、アンジェはピシリと反論した
合理的に資源を活用するためですから
アンジェが持っていた権限チップで泥に埋もれた操作パネルを起動させると、坑道から朽ちた塵が漂い、古ぼけた腐敗臭が鼻をついた
支援部隊をふたつに分け、私とトロイが1部隊を率いてこちらから進入する。[player name]とルシアはもう1部隊を率いて、アンジェと一緒に別方向からの探索を
探索中も通信は維持して、何かあればすぐに救援要請を
最後は、この位置にある……鉱場内のホールで合流しましょう
よし、全部隊出発!
ブリギットは最後に鉱場の入口をじっと見つめた
数年の時を経て、彼女は再びこの深淵に踏み込む