Story Reader / 祝日シナリオ / 新年の寿ぎ / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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守歳延祥

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世界がぐるぐると回っている。洗濯機で脱水されている最中の洋服の気分だ

まさか自分の戦闘服の気持ちがわかる日がくるとは思わなかった

どれくらい経ったのだろうか、足がようやく硬い地面に触れた

しばらくして、なんとか方向感覚と視野を取り戻した。ルシアたちも額を押さえながら、ようやく落ちついたところのようだ

コトラは自分の周囲をぐるぐる周っており、意識が回復したことに喜んでいるようだった

気がつきましたか?

声がする方に振り向くと、予想通りに見覚えのある人物がいた。彼女は静かに焚き火の側に座って、時折、焚火の中に真っ赤な物をくべている

炎が立ちのぼり、炎の中から色鮮やかな泡が舞い、暗闇を小さく払いのけていた

私は年越し守です。長い間ここでずっとお待ちしていました

「ガオ!!!!!」

ルシアが何かを言おうとしたが、遠くから響いてきた獣の咆哮に遮られた

お耳に届きましたか?あれは年獣の雄叫びです。ここをずっと狙っているのです。あれがやってくる前に準備をしなくてはなりません

何か私たちにできることはありますか?

年獣は暗闇の中でも目が見えますが、私たちは見えません。まずは辺りを明るくして視界を確保する必要があります

照明設備ならあります

いえ、その程度の光では足りません

年越し守は頭を振って、目の前の焚き火を指差した

こちらの方が頼りになります

どうやって火を大きくするんです?

ここには使える燃料等がないようですが

心配無用です。私たちに必要なのはこれなのです

年越し守は手に持っていた赤い何かを振ってみせた

それは真っ赤な封筒だった。金色のインクで何かが書かれており、どうやらそれは祝福の言葉と絵のようだ

そう、お年玉です。厄病神を鎮めるためのお布施でもあります

災を抑える力があるので、多く集めれば集めるほど、年獣への勝算が多くなります

これを焚き火にくべると、旧年と新年の変わり目に、その力が最大限に発揮されるのです

ではどうやってこのお年玉を集めるのか、ですが……

ついてきていただけますか