かまどの神様が用意した料理の見た目は美しく、味もとてもよかった。どこかできちんと修行したのではないかと思うほどだ
最初は悶々としていた様子のルシアも丁寧に味わいながら、時々何かを記録している
わぁ……この鶏のスープ、何を使ってるんでしょうか?
今度、私も同じのを作って指揮官に食べていただきたいです
まさか、こんな感覚を再び体験するとは思いもよりませんでした
小さい時はこんな風に家族と食卓を囲んだものです。あの頃は毎日、食が細くて食事を残していて、母親からもっと食べるようにと口うるさく言われていました
ある日、どうしてもそれ以上食べることができずに、母親に反抗してしまったんです
リーフが怒るなんて、想像できないですね
こ……これは子供の時の話ですよ!
そうだ、ルシアの子供の頃のことも教えてください
私は……父の仕事の関係で、家族で一緒に食事をする時間が少なかったんです
でも特別な日は、必ず父も揃って一緒に食事をしました
たとえば私の誕生日、そして……ルナの誕生日
そうですか……リーさんは?
僕ですか?そうですね……いつもマーレイがこっそり僕の皿に食べ物を入れないよう見張っていました
マーレイは小さい頃から体が弱くて、食も細かった。そしてズル賢い子供でした
だから時々「小細工」をしないといけなかった
嬉しそうに他人を笑っていますが、「首席」指揮官
リーはわざと「首席」の言葉を強調して言った
そろそろ指揮官の「伝説」を伺いたいものですね
そういえば、まだ指揮官の子供の頃のお話を聞いたことがありませんね
指揮官、私が記録を取っておきます
ニャニャガオ!
豪華な大晦日の食事と拷問のような追及から逃れたあと、またあの対句を手に、扉の外に貼りつけようと格闘していた
これは対句ですか?
リーはコップ1杯の白湯をこちらに差し出しながら、対句を眺めている
この大きさ……
この前、都市の境界まで偵察に行ったんですが
偵察ですが!
……
リーはこちらの疑いの視線に背を向けて、目を合わせないようにしていた
……とにかく都市の境界で、ある古い家の入り口を見つけました。しかしワタ……あの自称「パトロール」とかいう者にはそれが見えなかったようです
扉の枠に紙を貼った跡がありました。ちょうど、今手に持っているものと同じくらいの大きさです
僕も断言はできませんが、行ってみる価値はありますね
?
……
僕は同じ過ちは繰り返しませんから
弓のように細い月が空にかかっている。夜はとても静かで、風の音だけが聞こえてくる
リーについて行ったためかなり遠回りをしたが、ようやく古い屋敷の入り口にたどり着いた
リーの言う通り、扉の枠の両側には貼り紙の跡が残っている
それ以外に、馴染みすぎた顔があった……
カムイとカムの絵が2つの扉の前に対になって貼られている。カムイはいつも通りの馬鹿面で、カムはいつもよりも更に暗く、爆発寸前といった風情だ
前に来た時は、こんなものはありませんでした
この真意を探るのはかなり困難だと思われた。手にあまるので、これ以上深掘りしない方がいいかもしれない
しかしこの突発的な状況の起き方はこれまでと同じだ。つまり、これから起こる試練で役立つ何かなのだろう
対句を扉の枠の跡に合わせてみる。紙の大きさと跡がぴったり合う。そして今回は、貼っても対句が剥がれなかった
どうやら対句の正解の位置を見つけたようだ。浮足立って扉を押してみたが、ぴくりとも動かなかった
ニャニャガオ!!!ニャガオ!!
コトラが通りの遠くの方に向かって、威嚇するように吠え始めた
キキキ……
通りの影から奇妙な形の機械がゆらゆらと出てきた。頭の上に「幽霊」という文字があり、真っ赤なHPゲージがある
ホントに来たんだ!幽霊たちじゃん
ごちゃごちゃ言ってないで、全部片づけろ
あなたたちは……
やっほー。俺は24時間365日年中無休で、呼ばれればどこにでも参上っ!家を守り、財宝を守る第一の門の神サマだぜ!
こいつは俺の大事なパートナーで、第二の門の神なんだ
第一の門の神は大事なパートナーだという第二の門の神と肩を組もうとしたが、彼はそれを無視して、そのまま「幽霊たち」に突っ込んでいった