ゲーム機が吐き出したコインで買い物を終えると、よく知る3人の構造体はすぐにその場を立ち去った
だが、どうやっても対句を戸の横に貼りつけることができなかった。これでもう5回目の挑戦だ
すぐ側にあるテープに手を伸ばそうとした時、誰かがそのテープを手渡してくれた
指揮官、お手伝いします
買い物袋を手にしたルシアが後ろに立っていた
はい……ただいま帰りました
5回目の試みも、また失敗した。貼りつけるどころか、貼りつけ用のテープすら消えてしまっている
どうやら庭に入って異変が引き起こされた時のように、正しい位置にこの対句を置かなければ、新しい試練が解放されないようだ
リーはまだ買いたい調味料があるからと、ひとりで隣の通りに行きました
時間からすると、もうそろそろ帰ってくると思います
対句を片づけて、ルシアとともに食材を中に運び入れた。リーフに、対句とリーのことを話し、3人でリーの帰りを待つことにした
4時間後……
……やはり探しに行ってきます
私も行きます
皆が立ち上がろうとした時、また外からドアを叩く音がした
「ドンドンドン」
君たちはこの迷子の家族か?
道に迷っていたのではありません。ちょっとあそこで散歩していただけで
ちょっと都市の境界まで歩いただけとでも?あそこに道なんかないぞ
……
人違いだ、私はパトロールだ
あまり人の前に出ないから、私のことを知らないのは当然だな
迷子を無事に送り届けたので、ここで失礼する。今度はひとりでウロウロさせないように
「パトロール」は手を振って去っていった
お帰りなさい、リーさん
お疲れさまでした、リー
それで、調味料は?
……
……今からまた行ってきます
待ってください……
リーさんは疲れているでしょうし、私に行かせてください
ということは、ルシアが調理担当ということになりますが、いいですか?
――もちろん、リーフの戻りを待ったほうがいい
では、夕食は私が準備しますね
わ、私も手伝います
いえ、指揮官はリビングで休んでいてください。キッチンにそう大勢、人が入れませんから
ルシアにそう言われては、もう覚悟を決めるしかない。だが、ふたりがキッチンに入る前に、思わず呼び止めていた――
ご安心ください、指揮官
調味料はちゃんと加減しますから
大丈夫です。ちゃんとルシアのサポートをしますから
「バアアアァンッ!」
そう思ったのも束の間、キッチンから大きな爆発音が響いた
……消火器はあそこに