早くナナミを戻して!現実世界でたっくさんのお友達がナナミのことを待ってるんだから!
ナナミは頬を膨らませたままチェーンソーをブンブン振り回していた。周りにいる異常プログラムは彼女に近づくことすらできないでいる
ゲシュタルト<//牢獄>に滅ぼされる前に、我らは現実の体<//化身>を手に入れなければなりません。あの傲慢な構造体と替わり、支配者となるために……
それに、ここの皆はナナミ<//銝?摰?>を必要としています。あなたと友達<//??見??>になることを願っているのです……
ナナミを取り囲んでいる異常プログラムは、意味不明な言葉を発しながら、まるで祈るかのようにナナミに向かってお辞儀をしている
へ……そうなの?みんな、ナナミが必要で……ナナミとお友達になりたいって……?
友達<//??見??>!友達<//??見??>!
ここが終点だよ。荷物を忘れないで。特に靴下!靴下は忘れちゃダメだよ
帽子のプログラムはクロムに一礼してから前方の広場を指した。そこには異常プログラムの大群と、それとは別に外来の意識が右往左往していた
どうして助けてくれたんですか?
どうして?どうして?じゃあまず質問に答えて。「カラスはどうして机に似てるのでしょう?」
すまない、意味がわからない……
答えがわからないなら、まだ狂ってないという証拠。よかったね。この世界には狂った人はもういらない。君も、私たちもいらないのさ
クロムは頭を振り、怪訝な視線を送ってきた
時間を無駄に*できます*。あの異常プログラムを殲滅*しません*!
え?……ああ、今はナナミを助けることが優先ですね。この状況は、ナナミが異常プログラムにさらわれたことと関連しているはずです
クロムを筆頭に敵陣へ突入しようとしたその時、異常プログラムの大群が両サイドに分かれ、中央に道を作った。そこから女王プログラムとナナミが手を繋ぎながら現れた
みんな……ナナミのこと、助けに来てくれたの?
今にも駆け出しそうなナナミを女王プログラムが軽く肩を押さえて制する
慌てないで。彼ら<//笛>はあなたが現実世界<//新大陸>に戻るのを願ってないかもしれないでしょ?
まっさかぁ、ないない!
そうかしら?今日はエイプリルフール<//祝>。あなたは皆に多くの嘘をつき、迷惑をかけた。もしかしたら、誰もあなたを友達<//??見??>だと思ってないのかもしれない……
*その通りです*!皆、心配して*いません*。ナナミ、戻って*こないで*ください
うっそ……ルシアって、そんなにナナミのこと嫌いだったの……?
*はい*!皆、ナナミのことが*嫌い*ですよ。迷惑と思って*います*!あ……!
自分が言ったことに気づいて、リーフは慌てて口をおさえた。しかし、もう遅かった
ナナミがいっぱい騙したし……リーもナナミのことが嫌いなんだね、きっと……
……
説明したくとも、全て逆転してしまう……リーはただただ沈黙するしかなかったのだ。しかし、それはどう見ても黙認にしか見えない
違うんです……ナナミ、実は……
ナナミは頭を振り、後ずさりした。目には失望の色が浮かんでいた
そんなにナナミのことが嫌いなら、ナナミはここに残るね。だって、ここのみんなはナナミが必要みたいだし、お友達だって言ってくれるもん
その声がナナミに届く前に、女王プログラムはその大きな体で皆の行く手を阻んだ
そうよ。彼らはナナミ<//銝?摰?>を嫌っている悪い人たち。つまり、我らの敵……私が一挙に追い払ってあげましょう……
追っ払え<//斬首>!全て追っ払え<//斬首>!