都市の間を歩いていると、雪の降る音と吹きすさぶ風以外、何も聞こえてこない
目標地点に近づいています。指揮官殿
夜間は気温が下がります。寒さがこたえますよね……?戦闘が長引けば……少々お辛いかもしれません
ビアンカの引率で、カレニーナとの合流地点までは難なくたどり着いた
単独行動しているカレニーナはいつもと違い、作戦時の興奮した様子は見られない
カレニーナ……ここで何をしていたのです?
黒色のフードにはうっすらと雪が積もっており、しばらくここで待っていたようだ
ビアンカはさておき、[player name]がいながらここまで来れたってのは、こいつのトラブル体質が今回は発動してないようだな!
カレニーナの表情はいつも通りハツラツとしているが、あえて声を落としているようだった
カレニーナ、現在の状況は……?
カレニーナは、静かにという合図をした
彼女が指差す方向を見ると、補機が空中に浮きながら、何かを監視しているようだった
確かに普通じゃない痕跡があるぜ。だから、直接追いかけてきたんだ。でも、思ってた以上だった
オレたちがいる場所から補機のいるあそこまで、機械が移動した跡がある。ずっとこうやって跡をたどって来たんだ
話していると、補機が浮いている方向から、非常に低い周波数の警告音が聞こえてきた
即座に反応して動いたのはカレニーナだった。彼女は急いで補機の方向に走り出した
補機に追跡命令を出しました、そう急がなくても!
ビアンカはカレニーナの背中に叫んだが、仕方ないという風に後を追う
時間を無駄にできねぇ――[player name]!来い!
カレニーナは振り向いて、自信にあふれた表情を見せた
体力に自信あるだろ?
離れずについて来いよ!
後でゆっくり休め!オレはゴールで待ってるからな?
……
…………
カサコソ、カサカサ
「あなたたちはどこから来たの?」
「あなたたちの庭にはバラが咲いてる?」
「どこに行くの?」
「目が覚めた時、誰かが歌ってくれるの?」
少女は気の向くままに鼻歌を歌っていた。甘い声が、静かな廃墟の中に響き渡っている
影に潜んで、歌っている少女の背後へと近づいているのは、冷たく体温を持たない存在だった
少女は気にしていないのか、あるいは、気づいていないのか。機械の動作音は、徐々に近づいている
……
…………
彼女だ!!!
指揮官!隠れろ!
カレニーナは何かに気づき、すぐに攻撃を始めた。同行する補機も瞬時に攻撃を開始している
機械に取り囲まれた少女の正体がわかって、カレニーナは極度に緊張していた
確かにあの声には聞き覚えがある。それが、カレニーナがとっさに攻撃を開始した理由だろう
ビアンカ、援護を頼む!!!
おい!!!今、助けるからな!!