Story Reader / 祝日シナリオ / 一陽来復 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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怪しい痕跡

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――空中庭園の監視小屋

ワタナベは、指揮官の迎えの者と鉢合わせすることを考え、監視小屋の少し手前で別れた。通信によると、その時点で迎えの者は監視小屋に到着していたようだ

車のライトが監視小屋の入り口を照らすと、ふたりの女性構造体が立っているのが見えた

[player name]。また会えて嬉しいです

久しぶりくらいでちょうどいいんだよ!指揮官に会うと、いっつも何かトラブルが起きやがるから……

……でも、現時点では平和みたいだな。これからは、オレたちが同行する

突然ですがここからは、私とカレニーナが同行させていただきます

誤解なさらぬよう。私たちもあなたと同じ理由でここにいます。偶然が重なって、ここに来ることになったのです

グレイレイヴンが面倒だとか、ルシアがうるさかったからとかじゃないぜ

アシモフと話しました。今回のデータ収集を終える前に、我々が持っているテスト装置を、空中庭園まで持って帰っていただきたいのです

とにかく、空中庭園に戻るんだから、一緒に乗っけていけばいいんだよ

カレニーナが話している間に、ビアンカが通信を始めた

通信相手はわからないが、言葉遣いとその表情から、空中庭園の誰かであることは間違いなさそうだ

通信を終えたビアンカはすぐにはこちらを向かず、監視小屋に駐在する構造体から話しかけられていた

……構造体に休みがないのはまあいいとして、人間の指揮官までこんな日に任務をしなきゃいけないのかよ?

アシモフはやっぱり変人だ。異常にデータに執着してやがる

緊急任務だからな。オレはこのカワイイ装置、嫌いじゃねぇし

急になんだよ!?オレを子供扱いしているのか?

補機の開発については少し知ってるんだ。なんせ、動力面ではオレが開発に協力したからな……

カレニーナに補機を引き渡すと、注意深く集中して何度も何度もチェックをしていた

想像していたよりも精密な作りだな……オブリビオンのやつらに無茶されてないか……何か変な物をくっつけられたりしてないか……

ふん……どうだかな?簡単に人を信用しない方がいい……よくそれで今まで無事に生きてこれたもんだぜ

いや……まだ……でも、オブリビオンのやつらは……

カレニーナはまだ何か言いたかったようだが、ちょうどビアンカが戻って来てそれを中断した

補機の開発はアシモフ主導なんですから……我々の口出しは余計というものです

本任務も根拠があってのこと、そこに議論の余地はありません。そして……先ほど同行部隊と話していて予想外の情報を得ました

情報……?ビアンカ?どんな情報だ?

具体的なことは、無事に015号都市のセーフティーポイントに着いてから説明します

空中庭園が[player name]を迎えに来る前に、やることを見つけましょう

保全エリアの監視小屋への道は安定していた。専門部隊が整備してくれているのため、道路状況はかなりよくなっている

誰が運転するのかという小競り合い以外は、全て順調だった

この時の出来事が元になって、「カレニーナを運転席に近づかせると死ぬ目に合う」という逸話が徐々に広まっていったのだ

015号都市の中のセーフティーポイントに到着すると、カレニーナは車から降りて、さっさとどこかへ行ってしまった

指揮官殿。もしお時間があれば、監視小屋で言っていたことについて、詳細に説明させていただけますか

承知いたしました……そして、カレニーナの行方をご存じですか?……引き渡しの時から姿を見ないのですが

ビアンカさん……それは、フードを被っている女の子のことですか?

彼女なら、廃都市の旧商業エリアへ行きましたよ

あなたが整備に協力してくださっている時に、彼女にこれを見せたんです

ビアンカは構造体から渡された箱を、じっくりと丁寧に見た。箱に描かれた落書きには見覚えがあるような気がした

それは、以前015号都市で見た落書きに、非常によく似ていた

皆さんはここに到着する前に、これについてはご存じなんですよね?

そうです……私が[player name]に話そうとしていたのは、まさにこのことでした

スプレーアートに深く関与する侵蝕体。その侵蝕体は機能、動作等あらゆる面で普通の侵蝕体と一線を画しています。自発的に何らかの目的を持っているのかもしれません

多くの可能性を検討した中で、いくつか、非常に気になることがあります

以前、これと酷似した――「スプレーマシン」と接触したことがあるのは、この場では[player name]だけです

安全面を考慮して、事態を悪化させないためにも、同行調査をお願いしたいと思っていたのですが……カレニーナは……やはり我慢でならなかったのでしょう

指揮官、大変ご迷惑かと思いますが、空中庭園の迎えを待つ間、この件にご協力いただけませんでしょうか?

接触しかつ撃破した唯一の指揮官であれば、ご記憶かと

これは早急に確認が必要な事象です。報告が事実かどうか、まだ判然としませんが

どちらにしろ、万全を期すためにぜひご協力いただきたいのです

ビアンカが通信でカレニーナの現在位置を確認しようとしたまさにその時、ちょうどカレニーナから通信がきた

カレニーナ?一体どこに行って……ひとりでスプレーアートを調べに行ったのですか?

スプレーアートは確かにあった。ただ、前に指揮官たちが見たやつとは全然違う

全然違う……?カレニーナ、それは……その落書きには、何か別の存在が関わっているとでも?

だから――そのために連絡したんだ――

ビアンカはオレの居場所がわかるだろ!ここで15分待ってる!早くこっちに来い!待たされるのは嫌いなんだよ!

もしもし……?カレニーナ?!あ……切れてしまいました

ええ……カレニーナは補機を持って行きました……一体何を企んでいるやら……