理事会司令部オフィス、15:35
入りたまえ
ドアを開けて入室する。ハセンはデスクに腰掛け、資料を読んでいるようだった
……アシモフの綺麗な字がかすかに見える。前回の作戦失敗の記録のようだ
やあ、グレイレイヴン指揮官。2日間の休暇は満喫できたかな?
ふむ、やはり若者はエネルギーに満ち満ちているな
はは、君は若いんだ。もっと自信を持て。すぐに次の仕事にも適応できるだろう
君を呼んだのは、他でもない。先日のカムとの遠隔リンク作戦について、君の所見を聞いておきたいと思ってな
理事会は君たちの前回の作戦データについて、検討を終えている
要点を述べよう
まず、ここ数回のシミュレート作戦の難易度は比較的高く設定されている。むしろ、カムの弱点に照準を合わせて設計されたともいえる。それは君にもわかっただろう
少々酷なやり方だったかもしれないが、訓練は戦場と同じだ。訓練で弱点を矯正しなければ、実戦ではやり直しがきかん
うむ。ゆえに、作戦プランに調整を加えた
我々は、確証がほしいのだ。カムがリスクを冒しても投入すべき兵士であることの
よって、再度確認させてくれ
指揮官[player name]よ、君は遠隔意識リンクを使い、カムとともに戦いたいと思うか?
……それが君の答え、ということだな
よくわかった
最後にひとつだけ
彼を君に任せたのは正解だったよ、[player name]
あるいは、君は彼の「選択」を知りたいのかもしれんな
ハセンは常と変わらぬ慈愛に満ちた笑みを浮かべたまま、手を振ってドアを閉めるよう促した
廊下には誰もいない。だが、向いのオフィスにはカムがいるはずだ
そう思った瞬間、向いのオフィスのドアが開いた
そう思った瞬間、向いのオフィスのドアが開いた
不機嫌そうなカムが出てきた。だが、こちらに気づいた途端、表情が一変する
なんて言ってた?
そ……そう、か?
カムは疑いの目でこちらを見ている
どう答えた?
?
やはりな……
カムは目を細め、会話の内容を推測している
それで?アンタはどう答えた?
カムは愕然としたようだ。思いも寄らない答えだったらしい。珍しく、凹んでしまっている
……そうか、アンタ……諦めたのか……まあ、そうだろうな
反吐がでるぜ。昨日あれだけ綺麗事を吐いておきながら……
俺は本当にアンタと一緒に……えっ、なんて?
……は!?…………このッ!!!よっぽど死にたいみたいだな!?俺を弄びやがって!
どうやらカムは本気で怒ったようだ
言っておくが!俺より強い被験体なんか絶対に見つからないからな!
……俺の選択がそんなに重要か?
いい、俺はもう二度とだまされない
アンタたちとの協力関係は、他でもないこの俺自身が約束したことだ。他人を心配する暇があったら、アンタのそのどうしようもない演技力を磨け
当然だ。あの根暗技術オタクを黙らせてやる
当然だ。アンタは俺に借りがある
遅刻するなよ。待つのは嫌いだ
誘ったのは俺じゃないからな
だといいんだがな