Story Reader / Affection / ネイティア·亡詩·その4 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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ネイティア·亡詩·その5

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安全総監のオフィス

科学理事会

黒い服の構造体は先に部屋に入り、ドアの脇に立つと、ふっと笑みを浮かべて首をかしげた

どうしたの?立ち止まっちゃって。ほら、入ってきて

そうよ

その通りよ

壁際の観葉植物が気になる?確かに健やかに育ってるけど、今は時間がないから、観察は次の機会にしてね、カラスさん?

目の前の小部屋には、個人的な装飾らしいものはほとんどない。執行部隊の標準的な休憩室と比べて、全身鏡がひとつ増えたくらいだ

部屋の主人は軽い足取りで傍らへくると、こちらをその鏡の前に立たせた

「身分情報の登録を開始。権限:私と同等」

青い光が鏡の縁から浮かび上がり、頭の先から足下までスキャンをかけていく。そして、鏡は音もなく一方にスライドした

出来た空間に1歩踏み込むと灯りが点き、巨大なガラスキャビネットに囲まれた密室が現れた。部屋の中央には円形の台座があり、その周囲を囲むように装備の群れが並んでいる

銃器から短剣、杖やアクセサリー等全てが艶消しの黒に塗られ、紫色のワタリガラスのエンブレムがあしらわれている。黒いカラスたちがふたりを囲んで旋回しているかのようだ

ようこそ、私の「クローゼット」へ。ここの装備は、科学理事会の支給品よりずっと面白いわよ

全部、私が設計し、テストしたものばかり。精密かつ効率的で動作に完全フィットするわ。唯一の欠点は、量産できないことね

まぁ、もともと誰かと共有するつもりなんてないんだけど

あなたは、私にとって特別だから。例外なのは、目の前の装備だけじゃないわ

もう1歩前へ、そう、円の中央に立って。ちゃんと「チェック」しないと

全てを見透かすような鋭い視線が、全身をくまなくなぞっていく。まるで、この密室の中心にある宝物を品定めしているようだ

うん。グレイレイヴン小隊という装備は、あなたをしっかり守ってくれているわね。でもこれから行く場所は科学理事会の実験エリア……対策を誰よりも理解しているのは私よ

彼女は思案しながら戦術ハーネスの前で立ち止まり、ひとつを取り出して戻ってきた

対監視型戦術ハーネスよ。内蔵されている妨害チップの性能は通常の数倍。特化補機のバイオニック感覚を狙い撃ちにするわ

ちょっと腕を上げて

彼女が身を寄せる。顔を下に向けると鼻先がその髪に触れるほどの距離だ。彼女はマントの下でハーネスをこちらの背中から胸に回すと、指を滑らせ丁寧に全てのバックルを留めた

まるで抱きしめられているような体勢のまま、背後で調整ベルトを締められる

キツさはどう?

そう……じゃあ、少し調整すればOKね

ダークゴールドのネイルを滑らせて脇腹から手を離すと、ネイティアはこちらの前腕を取って、掌を返した。親指で戦術グローブと袖のすき間を押し開き、袖を少しだけ押し上げる

ここにスーパーデコーダーを貼って、私の端末と直結させる。つまり、私と同じ暗号解析能力を、あなたも持つってことよ

ほとんど重みを感じない軽量装置が袖の内側に固定された。それが終わっても、ネイティアはまだ手首を握ったままだった

心拍と脈拍が上がってるわね?

ただの安全確認よ。何をそんなに緊張してるの?

ふふ……なるほど。ごもっともね

じゃあ、お願いするわ

彼女はいたずらっぽい視線を1度向けると、くるりとこちらに背を向けた。長い髪を手で流すように払い、後ろ首と背中をさらけ出す

腰のあたりにあるでしょ?ダークゴールドのパーツが

全部、精密に設計されてるの。身体バランスの補正に関わるから、外装にしっかりはまっていないとダメなのよ

自分じゃ確認できないから、押してチェックしてくれる?

指先が温もりに触れたその瞬間、彼女がくすっと笑った

もうちょっと力を入れてもいいのよ?

モリガンに鏡を持たせて確認してるわ

長身の彼女がこちらにもたれかかるように寄ってきて、翼の形をした逆元装置がこちらの首に触れた

でも、今は調査に出かけていて不在

ちょうどその時、彼女の手首が光って通信の点滅が始まった。その点滅には、どこか「ためらい」が感じられた

あー……わかってる!間が悪い、悪いよな。ワシは何も聞いてないから!本当に本当に!!

本題だが、サンプルの証拠が全部揃った。全部で4つだ。ホワイトのやつら、泣かなきゃちゃんと仕事できるんだな

マップ確認済み、座標ロック済み!さぁ、仕事の時間だ!目標の実験エリアで証拠発掘、スリリングな任務だ!

入口で待ってるから、すぐに来てくれ!

ワタリガラスは慌ただしく通信を切った。その主は目を閉じて、肩をすくめるように小さなため息をついた。そして次の瞬間には、安全総監としての鋭い空気を纏っていた

出発しましょう