Story Reader / Affection / リリス·万魔 その1 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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リリス·万魔 その3

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第3ラウンドが終了してから10分も経たないうちに、フォークナー、ラビオ、エレノアはカードを選択した

それに次いで、グリースも

自分の端末画面で10秒のカウントダウンが始まった。タイムリミットまでにカードを選択しなければ、負けるのは自分だ

フォークナーとラビオの態度が変わったことで、事態は制御不能になった。彼らはゲームを次のラウンドに進めようと催促している

カードを選択すると、結果がすぐに表示された

結果:3番、4番の負け

画面の赤色が目に焼きつく前に、素早く血清を打った

画面上のパニシング濃度を示すマークも3段目まできている

リリスは皮張りの椅子に座り、両足をもうひとつの椅子に乗せていた

つまらなくなってしまいましたね……

欺瞞、裏切り……本当に古臭い美学ですわね、叔母さん

彼女はフォーチュンクッキーを割り、中から完全な状態で保存された紙切れを取り出した

「祈りで得た幸運は偽りである」

何か違う展開があるのかと思いましたが……残念ながら、彼らが今できるのは幸運を祈ることだけですね

リリスは端末の画面をちゃんと見ずに、表示されたカードから1枚を適当にタップした

結果:5番の負け

グリースさんとラビオさん、この2ラウンドは運がいいようですね

端末のパブリックチャンネルからエレノアの声が聞こえてきた

画面上に表示されたパニシング濃度のマークは、危険が迫っていることを示している。これ以上高くなると防護服の限界を超える

グリースとラビオが出したカードは同じだ。だから、ふたりは先ほどから勝ち続けている

しかし、グリースがラビオに協力する理由はないはずだ

最初のアナウンス通り、プレイヤーは端末を身に着けていなくてもゲームに参加できる

例の銃声を発した弾丸は、恐らくグリースと名乗る機械体に当たったのだろう

つまり、部屋と部屋の間は完全に封鎖されているわけではないということだ

そして、犯人がグリースの端末を使えば、彼の代わりに操作することができる

助けを求められる相手は、短気で怒りやすい離反構造体と、正体不明の謎の女性

予想通り、応答はない

沈黙が続く

これまでの状況からすると、彼はすでに心の中で出すカードを決めているだろう

その時、エレノアが先にカードを出した

――プレイヤー同士の陰謀と攻撃の余地を残すためだ

話を続けろ

構造体は荒れ果てた部屋の中を見回した。端末は部屋の隅に放り投げられていた

自分のカードはチョキとパーだ

……パーを選べ

フォークナーは心身ともに疲れ切っていた。それと同時に、怒りが自分の体を支配していることを自覚していた

パニシングはすでに彼の意識にダメージを与えている

このままではまずい、冷静を保つべきだ――彼は自分自身にそう言い聞かせた

端末の向こうからの声が、フォークナーに少し理性を取り戻させ、彼は立ち上がった

ああ

選択済みの人にはプライベート通信ができない。エレノアには次のラウンドで連絡するしかないようだ

フォークナーがカードを出したあと、自分もカードを出した

結果が表示された

結果:1番、2番の負け

幸いなことに、エレノアの選択は自分とフォークナーと同じだった。今回はラビオとグリースの負けだ

ほとんど作動音が聞こえなくなっていた浄化装置から再び音がして、パニシング濃度が下がった

ラビオはカバーを開き、軽やかに換気ダクトから床に降りた

パニシング濃度が高い部屋に来るのは不本意だが、残りの敵が結託するのは許せなかった

黒野の犬め。ちゃんと遺言は用意したか?

お前のカードは何だ?

グーを選べ

結果は同じだろ

グーと……パーだ

「お人好し」――ラビオの多くのくだらない話の中で、フォークナーが同意したのはこの点だけだった

1番:パー 2番:パー 3番:パー 4番:グー 5番:パー

結果が出る前に、再び端末を腕に装着した

最も不安定な要素から制御しようとしたのは、やはりリスクが高すぎたようだ

しかし、この状況を俯瞰的に見ても、まだエレノアという女性の正体がわからない。彼女は感情を見せないので、彼女の立場を判断することができない

ラウンド結果に伴って鮮やかな色が表示された。それと同時に、浄化装置の作動音が再び止んだ

浄化装置の作動停止に伴い、室内のパニシング濃度が徐々に上がっていく。端末上のマークは薄い緑色から徐々に変化して、終点のXに迫っていた

壁が下りる時、参加者の間にしっかりと隔たりを作るよう調整が必要だ

しかし、参加者の立ち位置が決められていない状況で完璧に隔てることは不可能だ

このゲームの目的が「運を持つ者の選別」のみなら、このような仕様にはしないはず

設計者は最初から抜け道を用意して、参加者がそれを利用するように仕向けたいのかもしれない

何よりも重要なのは、自分の敵はすでに抜け道を使っていることだ

そして、下りてきた壁で破壊された入口のドアに再び戻ってきた

二次破壊された瓦礫の上に積もった物をどけると、なんとかひとりが通れる隙間が見つかった

素早く制式銃をチェックして腰に差した。作戦用ナイフを取り出し、衣服や携帯品から空中庭園とわかるものを全て取り払った

相手の正体を確認するまで、こちらの情報はできる限り隠しておいた方がいい

布切れが床に散乱し、防護ヘルメットは傷だらけになった。最後の頼みは血清の注射だけだ

前進すると、端末画面に表示されたパニシング濃度がどんどん高くなっていく

このラウンドで負けたら、この部屋のパニシング濃度は……

普通の人間なら生き残れないでしょうね

リリスは退屈そうにテーブルに座りながら、端末を手に取った

お人好しさん、まだ生きてますか?

リリスの耳に届いた返答は、端末からではなかった

彼女が瓦礫の方を見ると、そこには防護服を着た人の姿があった

あなたも獣になることを選んだのですね

彼女は依然として捉えどころのない笑顔を浮かべていた

あなたがここにたどり着いたことに驚くべきでしょうか?それとも、待ちくたびれましたと言うべきですか?

やっぱり、ここは密室じゃなかったのですね

あなたみたいに代償を払えば、他のプレイヤーに直接コンタクトできるのですから

防護服を着た人間はリリスに近寄った

先ほどの結果を見ました。あなたはフォークナーさんにコンタクトしたのでしょう?

残念ながら、彼はすぐ考えを変えてしまったようですが

他人に情けをかけている場合ですか?

人間が前に進んでいく。<M>そ</M><W>そ</W>の腕についている端末が示すパニシング濃度は、受け入れがたいレベルにまで上昇していた

あなたが何の目的もなく、私に会いに来るわけがありませんね

確信しているような言い方ですね

リリスは相手との距離を推し量っていた。目の前の人間も恐らく同じことをしているのだろう

その言葉を聞いて、彼女は満足げな笑みを浮かべた

これは、狩人が完璧な距離で獲物を仕留めるための演技だろうか?

ならば、<M>その人間</M><W>その人間</W>は目的をいつまで隠すつもりだろうか?

でも、あなたはどうやってそれをやり遂げると証明するのです?