Story Reader / Affection / ブリギット·輝炎·その5 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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ブリギット·輝炎·その5

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……それから妻と一緒に、少しずつこのバーの経営を軌道に乗せていったんです

どうです?感動的なラブストリーでしょう?

あれ、そうですか?話し方が悪かったかな。でも、私にとっては感動的な……いや、天地がひっくり返るほどの衝撃的ストーリーなんですよ、ハハハ

そうでしょう、指揮官ならわかってくれると思いましたよ!

サービスでもう1杯お作りしますね!

パパ、ラム肉の串焼きが食べたい。隣のお店のやつ

そう言われてチャールズはお金を取り出し、レイに手渡した

レイが走って店を出ていくのを見送りながら、チャールズは微笑んだ

でも、改めて振り返ってみると、あっという間にこんなに時間が経っていたんですね。姉御にもパートナーができているし

知ってるんですよ、支援部隊には姉御を慕うやつが大勢いる

この事実を知ったら、大勢が泣き喚くと思いますよ

ちょ……

んん!?

出た、ブリギットのイタズラな視線だ!

なるほど

すみません、失言でしたね

チャールズは小皿に入ったピーナッツを差し出し、そっと奥にさがった

ブリギットはグラスを持ち上げ、また一気に電解液を飲み干した

「実は、自分たちは……」

彼女はニヤリと笑った

さあ、何を言うつもりだったか白状して?指揮官

指揮官って、私が思ってたよりずっと大胆なのね

鼻が空まで伸びてるわよ!

ただの友達なの?

ああ、悲しい答えね!

これからはもうデートに誘わない方がいいのかなあ

まさかグレイレイヴン指揮官がこんなに――冷たい人だったなんて!

おどけて笑ったあと、ブリギットは表情を元に戻した

でもね、だからこそ私たちの関係を……

言葉の途中で、ふいにブリギットが距離を詰めてきた

もう一歩、進めてもいいかもよ?

そして、彼女はすぐに元の位置に戻った

コホン、なんでもないわ。さぁ、乾杯、乾杯!

金色の液体がグラスの中で揺らめいた。グラスがカチンという澄んだ音を立てると、白い泡が波のように立ち上がり、液体が豪快に喉へと流し込まれた

皆が談笑をしていると、店の後方の窓から突然濃い煙が立ち昇った

次の瞬間、店の警報が大音量で鳴り響き、客たちが大慌てで立ち上がった

――大変です、オーナー。隣の店から突然煙が!

張姉さんの店か!?

いえ、反対側の――ニコラス炭火焼き店です!

レイがいる!

私に任せて!

指揮官はお客さんたちの避難誘導を。チャールズは消火器を探して。そこの店員さん、そう、あなたよ。あなたは消防部とスターオブライフに連絡を!

素早く指示を出し、ブリギットは外へ飛び出した

通して!支援部隊隊長のブリギットよ!

市民を避難させたあと、火災現場を振り返った

ブリギットが突入してからすでに2分が経ち、火の勢いは想像以上に強くなっていた

レイ……

ええ

遠くからこちらへ走ってくる3人の姿がチラリと目に入った

何があったんだ!?

俺たちは支援部隊の隊員です。何か手伝えることは!?

バンッ――

扉を蹴破る大きな音が響いた

姉御!?

レイを抱えたブリギットが店内から飛び出してきた

レイ!

パパ――!

抱き合う親子を見つめるブリギットの目に、一瞬寂しそうな表情が浮かんだが、それはすぐに消えた

ブリギットは「高壁」たち3人の方を振り返った

ちょっと、登場タイミングが最高じゃない!

「高壁」、「コルサック」、「トカゲ」、指示を出すわ!

はい!

火災の原因は、今のところ電気回路の老朽化のようね。私たち支援部隊は建物の中に入って消防部が到着するまで、できる限り火勢を抑えるわよ

わかった!?

了解です!

行くわよ!

4人が身を翻すと、つられるようにすぐ側にいたチャールズが半歩踏み出し、そこでぐっと足を止めた

振り返ると、レイがチャールズのズボンを掴み、じっと彼を見つめている

…………

ブリギットはその光景に気付いた

一般市民と構造体ではない人は下がって、早くここから離れて!

[player name]、彼らのことをお願い

事態が完全に収束したのは、すっかり夜が更けてからだった

幸い、対応が早かったため負傷者は出なかった

ブリギットは離れた場所で消防部の人と話をしている最中だ

彼女がその人と握手を交わし、こちらに向かって歩いてくるのが見えた

姉御、ありがとうございました

眠そうなレイを抱えながら、チャールズはブリギットを迎えるように近寄った

お礼なんて。姉御を何だと思ってるのよ

缶入りの電解液1パックをもらうわね。もう夜も遅いし、レイも眠いでしょ?あなたは早く家に帰りなさい

ブリギットは電解液を手に取ると、お金をカウンターに置き、こちらに振り向いた

行きたい場所があるの。ちょっと付き合ってくれる?指揮官

歩き出したあと、背後からチャールズが大声で叫ぶのが聞こえた

チャールズ

また来てください――おふたりは永久に3割引です――

ブリギットは振り返らず、ただ手を上げて「OK」とサインをした