Story Reader / Affection / ビアンカ·真理·その1 / Story
続いては、本日の目玉企画！
「1日デート」です！
会場に歓声と拍手が鳴り響く
任務の疲れを癒せていますか？理想のデート相手を探す時間が取れないことにお悩みではありませんか？
本日は、指揮官の皆様に「1日デート」のお相手をマッチングするスペシャルイベントを開催します！せっかくの機会をどうぞ最大限にご活用くださいね！
1日デート……
……ふむ、なるほど。指揮官たちの集まりでは、こういった催しが執り行われるものなのですね……
こういった催しの必要性については、十分に理解できます。人間は構造体には測りかねる情感を持っているものですし
それに、かつては私も誰かが寄り添ってくれる感覚を好んでいました
……粛清部隊員としてあるべき姿ではありませんので
指揮官殿、私は……あなたとは違うのです
あなたの部隊は……なんというか、もっと……「人間味」がある
「情」というのは任務の足を引っ張りかねないものです。ですが……たまに眩しく思うのです。皆に慕われるリーダーでいられるあなたのことを
どうしてですか？
隊長として当然のことです
……
……
……
本当のことですから
さあさあ、君たちの番だ
くじ引きだよ！司会の話、聞いてなかったのか？
……私もですか？
任務範疇外です。仕事中に気を散らすわけにはいきません
ですが、くじ引きとあなたの安全とは何の関係も……
どういう意味でしょうか？
……指揮官殿……
ビアンカはこの手の応酬にはまったく慣れていないようで、目を白黒させて黙り込んでしまった
……仕方ありませんね
しばし考え込んだビアンカは、妥協することにしたようだ。髪をかきあげ、ピンク色のくじ箱にそっと手を差し入れた
これにします
……
ビアンカはそっと視線を逸らした。椅子の上で背筋をピンと伸ばし、手の中のカードに書かれた数字を眺めている
私のカードには25と書かれていますね
では、カードが全ての皆様に行き渡ったところで……本日のラッキーガイを発表いたしましょう！盛大な拍手をお願いします！
会場を震わす大歓声と拍手が起こる
この種のパーティーには免疫のないビアンカは、依然として冷静を装っているが、少し赤くなった耳に隠しきれない内心が表れている
――最初のシンデレラは……
3番の方！
すぐにショートヘアの小柄な女性指揮官が立ち上がった。興奮を隠しきれない様子で司会者に手を振っている
では、あちらの可愛らしい指揮官を引き当てた果報者は一体誰なんでしょう！
——12番！12番の方です！
司会者が数字を発表すると、会場の反対側で帽子をかぶった指揮官が立ち上がった。周囲の仲間が笑いながらはやし立てる
おふた方、おめでとうございます！バックステージでご登録をよろしく！
費用は全て主催者持ちですので、今日1日存分にデートを堪能してくださいね！さてさて、一体どんな展開が待ち受けているのやら！
指揮官殿……
それでは、二組目の発表です！
まずは――
私たちは……
18番の方！
そして――25番の方です！おめでとうございます！！
