あちこちで炸裂する爆発音が狭い空間で音波を巻き起こし、鼓膜を突き破りそうなほど反響した
――!
その途端、胸の辺りに激痛が走り、骨に巣食う宿痾は体内を駆け巡り、嵐のように全身を引き裂き、肌を抉った
█▄▆█
ネイティアはすでに最後の薬剤を[player name]に渡してしまっている。魂に刻み込まれたこの苦痛に、もはや抗う力など残っていなかった
……前に……走って
「黄金樹」の絡み合う枝や幹が地響きをたてながら崩れ落ち、燃え上がる。ネイティアは唇を噛み、おぼつかない足取りで前へ進み続けた
前方では光が明滅し、廃墟の禍々しい輪郭を照らし出している。そこは爆発の発生源であり、グレイレイヴン指揮官とマルガリータがいる方角だった
遮断器の守りを失ったネイティアを赤霧が容赦なく蹂躙する。混濁した思考をかき回し、絶え間なく彼女の意識海へと侵入してくる
ネイティア、今日から君も我々の一員だ
深い川を隔てて聞こえるような、くぐもった声が伝わってきた。記憶の中の誰の声だろうか?それを判別する余裕もない
うん!今日から、私たち友達だから!
今度は少しはっきりと聞こえた。それは彼女自身の声だろうか?埃に覆われた、遥か昔のあの午後の?
濃い霧が生き物のように絡みついてくる。冷たく粘つき、歯がうずくような感覚とともに、破れた衣服を、更に皮膚から循環液の中へとしみ渡っていく
意識が乱れ、剥がれ落ちようが、彼女は一切構わず決然と前へ歩き続けた
彼女にはわかっていた。[player name]が、あの場所でまだ自分を待っている――助けを、終わりを、あるいはただ物語の最終章をともに迎える誰かを待っていることを
くっ……!
赤霧の影響で、喉から循環液がこみ上げた。ネイティアはふらふらとよろめき、ドサリと膝をついた
八つ裂きにされるような痛みで視界が急激に暗くなる。だがそれ以上に鮮明だったのは、耳元に聞こえる囁き声だ
わっ、フラッシュが光った!
え、えっと!こんな時にどう言ったらいいかわかんないんだけど
マルガリータ……アウリス……
ネイティアの喉から掠れた音が漏れ、彼女は地面に手をついた。手の平に砕けた石が刺さり、循環液が汚れた地面と混ざり合う
深紅の霧の中に、ぼんやりと無数の何かが揺らめいている――懐かしいもの、禍々しいもの、ただ無言で見つめるだけのもの
さまざまな声が混ざってぶつかり合い、混濁した過去の亡霊と今の幻聴が彼女の意識海をかき乱す。どれが赤霧の毒で、どれが記憶の底から湧き上がる残滓なのかすらわからない
だが、進む方向はわかっていた
我々はきっと難関を乗り越えられる!人の価値を決めるのは、何ができるか、ではない。あなたが正しいと信じることのために、何を犠牲にできるか、です
俺は戻ってくる
私も戻る
よりよい明日のために――!
全ての声、全ての幻影が、彼女が歩いてきたこれまでの道を形作っていた
彼女はそれらの声に追われ、同時にそれらを背負いながら歩き続けた
過去から今に至るまで
私たちの物語は、まだここで終わりはしません
もうすぐだ
爆発の震動が前方から鮮明に伝わり、灼熱の爆風と硝煙の臭いが、赤霧の血生臭さを僅かに薄めた
[player name]……
彼女は喉元に込み上げる血の泡を飲み込み、失われつつある最後の力をかき集め、光と炎の境界へ、その先で待つ人に向かって――
よろめきながら歩いていった
