薄暗い霧が、まるで何かを悼むように鉱坑内に立ち込めている
……つまりモリノアは、自ら名付けたアシュリンの死後……新たなあの「アシュリン」を育てていたということですね
墓碑上のひと文字ずつ刻まれた名前に、古びた機械油の痕が滲んでいた
蜘蛛が獲物を捕らえるのは、幼体に餌を与えるためだ。いくつもの幻境に現れた「子供」は全て同一で……
ふたり目の「アシュリン」だった
「アシュリン」……
リーフは小さくため息をついた
彼女の正体は何でしょう?一体……何者なのでしょうか……
彼女の体にパニシングの痕跡はなかった……あるいは彼女がパニシングの拡散を制御していたのだろうか?
彼女の偽装はあまりに完璧で、モリノアの庇護の下では、まったく隙を見せなかった
異合生物ですか?……確かにその可能性はありますね
すでに
でも……彼女はどうして私の意識海を覗こうとしたんでしょう?そのために巣穴さえも犠牲にして……
あの……特殊なデータのことでしょうか?
構造体の意識海は、ほとんどが同じ構造だ……リーフが搭載している「特殊なデータ」を除いて
でも、どうして異合生物が……そのデータを欲しがるのですか?
どう考えても、異合生物がそのデータを得る「必要性」の理由が思いつかない
……ともかく、まずはモリノアを止めなければ
あの子を……ふたり目の「アシュリン」を見つけなければなりません。彼女が更に大きな災厄を引き起こす前に
母親なら……子供が逃げる時間を最大限稼ごうとするはずです
彼女はきっと、この先にいます
Video: v4.0神リーフテキストカットシーンCG
