Story Reader / 本編シナリオ / 25 潰えぬ燎火 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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25-9 アナイダ

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意外にも、オーロラ部隊を撃退しても「助けられた」住民たちにそれほど喜ぶ様子はなかった

クソッ……今回もチャンスを逃したのかよ!

なぜだ!なぜあんたらは彼らにあんなことをした!

彼らは水や食料、服もくれるって約束してくれたのに……

でもその代償として、あなたたちは実験台になるのに――

そんなのはどうでもいい!

彼らのお偉いさんが言ったんだ!彼らの規範に従えば、彼らの家族になれるって!

なぜ俺らがユートピアに行くのを止めるんだよ!

……

彼らはもうここを離れています。あなたたちもユートピアに入れる方法はなくなった

保全エリアに戻ったらどうです?もう遅いし、ここは危険よ

……

住民はエコーを憎々し気に睨みつけた。しかしエコーは動じることなく、彼の挑発にも乗らなかった

もちろんだ!彼らのお偉いさんが約束してくれたんだ!彼らと一緒に行けば……

誰だって生き残りたいはずだろ!この世界じゃ、あんたらのようなご立派な身分しか生きられないってのか!

俺ら雑草だって、生きていたいんだ!

てめぇ!

だからオーロラ部隊と行かずに残った

住民はそれ以上言い返せなかった。ただこちらを睨みながら、他の数人とともに保全エリアへ続く道へと歩き去った

何人か足りないようです……

オーロラ部隊について行ったんでしょうか?

オーロラ部隊に紛れ込んでここを離れたのだろう

……

エコーはため息をついた

こんな世界なのだ。楽に生きようとする人もいれば、途方に暮れて生きる希望を失った人もいる

「楽に生きたい」とはまた違うのかもしれない。彼らは根本的にこの世界から解放される、そのための道を探しているのだろう

……はぁ

エコーはまたため息をついた

……そうだ。お礼がまだでした、指揮官

実は……コンステリアから逃げて、ライナ姉さんを探そうと決めた時、これと似たような保全エリアを多く見てきました

ピークマンはまだユートピア計画を諦めていません。彼は飛行要塞の機動性を利用して、あちこちにこんな「不完全なユートピア」を建てています

住民たちに大量の物資を与え、規範を守れば「家族になれる」、素行がよければ「ユートピア」に入れる……これが洗脳するための彼らの常套手段なんです

これまでにもそれを信じ切った住民を助けてきましたけど、誰も私の言葉を聞いてくれなかった

あなただけが……唯一私の話を聞いてくれた。感謝しています

……

怖がらないで、アリサ

正義の音色は常に、この大地で響き渡るから……たとえ嵐に空が覆われようとも、いつか必ず太陽の光が地面を照らす

心配する必要はないわ

たとえここの規範はもう崩壊しかけていても、たとえ今はこの泥沼にはまっているとしても

少なくとも……あなたはまだ生きている。全てを打ち破ることができる

ぐずぐずしてる時間はないわ。行こう

ぼんやりとした記憶が意識海をぐるぐると回る中、心の奥底で何かが砕けた。その破片はより堅固な城壁のように組み直されていく

すみません、ちょっとぼんやりしていました……なんでしょうか?

……はい、行きましょう