Story Reader / 本編シナリオ / 25 潰えぬ燎火 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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25-9 アナイダ

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107号保全エリア

最近この付近で新たな異合生物の襲撃事件が起きているようだ。パトロール中だった数人の構造体が失踪し、保全エリアの住民も戦々恐々としている

おい!そこの!止まれ!

お前たちは何者だ?

……

スタッフはしつこいほど何度も身分証明を確認した上で、ようやく扉を開けてくれた

保全エリアでは住民たちがあちこちに集まり、ぼそぼそと話し合っていた。だが我々の姿を見ると、住民たちは素知らぬふりでそれぞれ去っていった

いつもなら、空中庭園の指揮官が事件を調査しに来たくらいで、こんな反応はしないはず

他の保全エリアの調査の時は、空中庭園の指揮官が来たことを喜んでくれたり、あるいは来るのが遅すぎると怒ったりされる

これほど警戒されたことは一度もなかった

まるで彼らは一丸となって、何か秘密を守ろうとしているようだ

別に問題ないでしょう?私は変だと思いませんが

保全エリア規定第1章によれば、常に警戒して外部の人間を容易に信用するなとあります。彼らは正しい対応をしていると思いますが……

保全エリア規定はかなりぶ厚い本だった……一体どうやって暗記したんだろう?

……参考になると思ったから、何度か読んだだけです

書かれていた規定が、私が学んだものとは違ったから……

ユートピアがおかしくなる前まで、私たちは同じ教科書を使っていました。そこにはユートピアで生活するための規範と秩序が載っていました

……保全エリアの規定と似ていますが、違う点もありました

ユートピアの規範は公平と正義、善良と美徳、仲間とは平和的かつ友好的であれ、と強調しています。綺麗ごとすぎてこの時代にはそぐわないですが

逆に保全エリアの規定では、外部の人間を警戒し、軽々しく信じてはならないと書いてあります……

ユートピアでは、何か起きればピークマンのもとに行くんです。彼が全ての問題を解決してくれますから

ライナ姉さんはそれは間違っていると言っていました。ピークマンが全ての人を助けられる訳がないって

でもピークマンは、平和で公平な秩序の下に、人々が親密でいられる本物のユートピアを作りたいって

でもそんなの……

エコーはそこで口をつぐんだ

黒野の人間がこの付近に出没しているからそれを捜査する、としか書いてありません……

あの人たち!

エコーは突然こちらの裾を引っ掴んで、物陰に隠れた。保全エリアの外周に不思議な服を着た人たちが現れている

あの服装はオーロラ部隊の作戦服……ここで何を?

こっそりとオーロラ部隊に近付いた。兵士たちが住民たちに話しかけると、住民たちは手にしていた工具を置き、そのまま彼らと一緒に保全エリアを出ていった

兵士はそれぞれ住民の先頭と最後尾を歩いている。まるで住民たちが逃走するのを恐れ、阻止しようとするかのようだ

彼らこそ完全なる外部勢力のはず。保全エリアの衛兵はなぜ彼らを止めないのだろう?

……彼らを追いましょう

保全エリアの安全圏を出るやいなや、兵士たちは地面のあちこちに戦闘の痕跡を作り始めた

これは……

……