Story Reader / 本編シナリオ / 21 刻命の螺旋 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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R0-1 欠片-00-T324

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広大な星の海に浮かぶ唯一の答えに手を伸ばそうとした瞬間、リーの意識は無数の星の間を漂っている

この塔は、連続する時空で構成されている。つまり……ここであなたは、異なる世界にいるもうひとりのあなたが教える「可能性」と接触できる

本来は接触など不可能だが、パニシングの影響で「可能性」はこの時空で繋がっている。「塔」ではあなたが知る過去と未来が実体を持って存在する

つまり、塔の中の「昔」に対するあなたの干渉が、塔の構造そのものに影響を与えるんだ

同時にあなたは時空の狭間と出会う可能性もある。自分がいる現実の世界とまったく違う空間に投げ込まれ、存在すべきではない幻影を見るかもしれない

そこからはすぐに脱出しろ、そしてこの無限の可能性の中から、上へと続く本当の道を探し当てるんだ

周囲の映像が次々と後ろへ流れ去る。塔内の構造は積み木のように、何度も崩壊と構築を繰り返している。遠くから微かに聞こえていた声が、今ははっきり聞こえる

時に、鍵は細部に宿る

――過去へ送った希望が、幾度も新たな出発点になった。ページはめくられ続けている

――!!

うなりをあげて飛ぶ弾が最後の侵蝕体のコアに命中した。巨大な鉄の塊がふらつきながら地面へと倒れると、あたりには静寂が戻った

こちらリー、C-20エリアの侵蝕体はすでにクリアしました。まもなく隊に帰還します

了解、Dエリアのクリア度は80%、終了後に臨時司令部で合流しましょう

現在Bエリアに侵蝕体反応はありません。隔離装置の設置完了!次の場所へ向かいます!

了解、では合流準備を

付近で侵蝕体の信号が検出されていないことを確認したリーは通信を切った。銃をホルダーに戻し、忌々しそうに足の傷口を見つめた

油断したな……

まさか侵蝕体があんな近距離から侵蝕プローブを放つとは思わず、リーは戦っている最中に侵蝕されてしまった

すぐに緊急手当をしたため、怪我は負ったものの、侵蝕度は安全レベルに留まっている

うっ……!

逆元装置から異常な激痛が走った。意識海は瞬間的に過負荷状態となったが、すぐに正常値へと戻った。それもまさに幻覚のように

その時だった、リーは意識海に新しいデータが出現したことに気付いたのだ

これは?

それは一見、意味のないコードだったが、リーはなぜか懐かしさを覚えた。ふとある考えが浮かび、彼はマーレイと連絡する時に使っていた暗号を思い出した

まさか……

解けた!

これは、座標か?

暗号を知るのは彼とマーレイだけのはず。しかしこれはマーレイからのメッセージではなく、自分の意識海にいきなり出現したとしか思えない代物だ

リーは疑念を抱きながらも、この感覚は何かの導きであり、この座標地点をすぐさま確認すべきだと感じた

マップ通りなら……ここから2km先にあるはず

その情報が出現したタイミングも絶妙だった。まさにこのエリアで任務を執行すると知っていたかのようだ

とりあえず見に行こう

進行ルートを変える必要がありそうだな