Story Reader / 本編シナリオ / 21 刻命の螺旋 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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R0-1 欠片-00-T324

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ここは安全そうです。少し休憩しましょう

適当に言いつくろってこの場所を離れようとしたが、負傷した構造体が必死に仲間を支えているのを見て、リーは考えを変えた

自分は大丈夫だ、彼の方が深刻だ

もう侵蝕体の信号もないし、ここで一旦止まろう!

緊急休眠状態の構造体を安全な場所に寝かせると、リーは彼の傷を調べ始めた

……傷はたいしたことありません。侵蝕度も下がっているし大丈夫でしょう。万が一に備えて、彼の意識海が安定してから行動する方がいい

よかった。無事でよかったよ……

構造体は見るからにほっとしたようで、振り返ってリーに感謝の言葉をかけた

本当に、本当にありがとう!

……どういたしまして

仲間が危険を脱したと知って、構造体はようやくリラックスしたようで、あれこれ話しかけてきた

まさかグレイレイヴンが支援に来てくれるなんて……君たちが向かうのは、いつも一番危険な戦場だとばかり思ってた

どうしてそんな風に……

ああ、ごめんごめん、別に変な意味はないんだ。君たちほどの精鋭はもっと重要な任務につくだろう思ってね

僕たちみたいな共同作戦小隊に入ったばかりの新兵の任務は、ほとんどが装置の設置とか、拠点の巡回とかで……

そういう任務は安全度がまだ高いので、悪くないと思いますが

それは違う!僕は安全を求めて構造体になったんじゃない!

君は……志願して改造を受けたのですか?

そう。こう見えても、僕は軍人の家庭で育ったんだ……でも子供の時から体が弱くて、歩くのすら外骨格が必要だったけどね

僕の家族全員が……侵蝕体との戦いで命を落としたんだ。彼らの遺志を継ぐことも、仇を取ることも、僕にはできなかった

だから……Ta-193コポリマーの適性があると知った時、心から喜んだよ

最前線で指揮官と肩を並べて戦い、自分の隊員を守る一人前の隊長になりたかったんだ……でも今は……

……自分の仲間を危うく見殺しにするところだった

……

ごめん……気にしないでくれ。僕はリラックスするとつい無駄口が多くなって……どうしようもない、癖なんだ。ハハッ

……いいえ、謝るようなことでは

最初から経験豊富な人なんていません

リーは立ち上がって辺りを見回し、顔をしかめて考え込んだ

ここは座標が示した場所だ。だが、ここに調べなければならない対象や状況等は特にない

まさか何か重要な情報を見逃した?それとも、その情報には何の意味もなかったのか?

あれ?これは……

構造体が何かに気付き、街の反対側にあったガラクタの山から壊れた機械を拾い上げた

こんなものがここにあるなんて……まだ使えそうなのに。どこかの小隊が落としたのかな?

これは……電磁波観測装置?

うん、工兵部隊が持ってたっぽいな。昔、彼らと一緒に任務についた時に見たことがある。執行部隊はあまりこういうのは使わないし

もしGPSシステムが故障したら、これがナビの代わりになる。僕の方向音痴の隊員も、これを見つけていれば、危険な目に遭わずに済んだかもね

……

……この機械はパニシングの影響を受けないんだ。だから検出さえできる状態なら、GPSが故障した時はこれをナビ代わりに使うのが一番いい

でもこういう装置は持ち運びしにくいんだ。小型化できれば、万が一の時の備えになるんだけどな

(万が一の時の備え……)

(時間がある時に改造してみよう)