リーフを護衛する宇宙船と輸送機が、空の彼方へ姿を消したあと……
燃えるような茜色の雲の下、ある少女が巨大な黒い影に守られながら、荒野をひとりで歩いている
ここはフル装備の防護服を着た構造体ですら避けるエリアだが、彼女は一切の影響を受けていないようだった
ちぇ、せっかくこんな格好になったんだから、みんなに見せびらかしたかったなあ……
まあ、今はもっと大事なことがあるか
おばあちゃんロボット、座標を教えて
あなたの行動では、この災難の状況は変わりません
いいよ、無駄だとしても、やるの。だって、人間と人間が創った面白いモノが壊されるのは許せないもん
少女は普段の天真爛漫な様子とは打って変わって、決意を感じさせる凜とした表情をしている
みんなの願いを叶えるの。お返しに、みんなにも願いを叶えてもらうんだ
少女は懐かしそうに空を見上げて、雲の上にある「故郷」に手を振って別れを告げた
さよなら……
ナナミを忘れないでね