Story Reader / 本編シナリオ / 13 終焉の福音 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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巨大な脅威

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やはり来たか

ガブリエル……!

ルシアが放った攻撃はガブリエルのかたわらの異合生物によって難なく受け止められ、逆にルシアが吹き飛ばされてしまった

地面に叩きつけられる前に受け身をとったルシアだったが、その鋭い一撃により本能的に目の前の人型異合生物の危険性を悟った。ガブリエルより厄介かもしれない

その化け物……あなたが創り出した異合生物ですか?

創り出す……?

否。これらの誕生はパニシングの意志。私はただその成長の手助けをしたまでのこと

自分の主を裏切ってまで、か?

ルナ様の件については、決して私がそう望んだわけではない

異重合コアに生命を見出した時、私は理解したのだ。昇格ネットワークが我が願いに応え、新たな道を啓示したのだと

私の計画はその時から始まった。ルナ様なら私の成果を称賛し、ともに昇格ネットワークより下された使命を遂行できるものとばかり思っていたが……

……私は失望したよ。彼女はもはやかつての完全無欠の代行者ではない。彼女を惑わせたのは、α――そして他ならぬ貴様たちだ

私たちが……ルナを惑わせた?

αが来て、貴様らと幾度か接触してからというものの……ルナ様に昇格者らしからぬ「情」が芽吹いてしまった

本来であればその「情」を利用してαと姉妹揃って集噛体の養分としたかったところだが、どうしたことかαが一向に現れぬものでな

私の計画に気づいて逃亡したのかもしれんな。姉妹の「情」が聞いて呆れる

あるいは、人間のいう「情」が脳の働きによる幻想にすぎないということを、ようやく理解したのかもしれん

鋼の体躯を持つ我々は、その種の無用な雑物を早々に捨て去るべきなのだ

……話すだけ無駄のようだ

遠くから集噛体の咆哮が伝わってくる。強烈な振動が地下空間の石壁を崩壊させ、無数の石が赤潮に降り注いでいく

ガブリエルは頭を上げ、その様子を楽しんでいるようだ

さすがはルナ様。ルナ様こそが最重要のピース……いくらか衰えたとはいえ、やはり代行者の力は侮れん

集噛体がルナ様の意識と存在を全て消化した時、集噛体は全世界にその力を示すだろう。そうすれば他の昇格者も我が選択の正しさを知り、自ら身を捧げる……

残る懸案は……αだな。今のうちに処理しておかなければ、のちのち面倒なことになるだろう

まったく、実に遺憾なことだ。貴様らには新世界を見る機会もあったというのに、真理を解さないとは……

人類の終末を迎えるための最後の贄として、集噛体に吸収されるがいい。それこそが貴様らの唯一の価値だ

ガブリエルは手を上げた。次の瞬間、赤潮から無数の異合生物が湧き上がり、グレイレイヴンを取り囲んだ

ルナ様を守るのだ。決してやつらを近づけるな

真っ白な異合生物は翼をしまい、ガブリエルに一礼すると集噛体の上部へと飛び上がった

あの場所は……

視界は無数の異合生物に遮られている。どうやらガブリエルは中心区へ向かったようだ

遠くで、集噛体が耳をつんざくような咆哮をあげている

総員!戦闘準備!