Story Reader / 本編シナリオ / 13 終焉の福音 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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赤潮の導き

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……これは……

指揮官、こちらをご覧ください

リーフが指さす方向には倒壊した高層ビル群が見渡す限りに広がっていた。だが――

付近の地面で異常な残留物質を検知しました。成分は例の「赤潮」と極めて酷似しています

赤潮はここまで到達していないと思っていましたが、どうやら誤りだったようです

「赤潮」が通りすぎた跡のように見えますね

残留物があるということは、追跡できるということだ。唯一といっていい手がかりを得た今、すべきことは……

やってみます……軌跡を遡れば、発生場所にたどり着けるかもしれませんね

赤潮の痕跡をたどって都市を南下していくと、大型ショッピングモールの前へと出た

割れたショーウインドウ越しに見える店内は空っぽだ。たいがいの廃都市の商店は「災害」の瞬間に時が止まる。商品は略奪され、棚はなぎ倒され、ガラスは粉々になり……

ここも同じだ。商品棚もなく、娯楽設備も消え、そのうえここには略奪の痕跡すらも残っていなかった。赤潮が残した汚泥のみが、ここで起きたことを物語っている

赤潮はここが始点のようですね。どうやら「赤潮」というのは、どこかに貯められているものが地下の排水管を流れて地上に噴出することで発生するようです

地上の存在から見れば、どこから来るかもわからない「満潮」というわけです

つまり、ここが「赤潮」の発生場所……?

全ての赤潮がここから噴出したとは言い切れませんが、少なくとも発生場所のひとつには違いないでしょう

地下の駐車場も廃墟と化していたが、非常灯は点灯していた。湾曲しながらも点々と続く光の連なりが、まるでこちらを導くかのように地面を照らしている

ありました

普通の防空設備の入り口のように見えますね

ええ。ですが、ロックの解除に特殊な管理権限が必要な以上、「普通の」避難施設とは言えませんね

見たところ、免疫時代のロックシステムのようですね。それほど複雑な代物ではありません。5分ほどいただけますか?

……できました

ちょうどいいものがあります。支援部隊が建造物の進入に使用する爆弾です。何かの役に立つかもしれないと出発前にブリギットが渡してくれました

では爆破します。指揮官、下がってください

……

歯車の回転音が鳴り、扉はゆっくりと開いた

扉の向こうにはごく普通の防空通路が伸びていた。通路は未知の暗闇へと続いている

待ってください

リーは手を上げて皆を制止すると、リーフの方を見た

リーフ、パニシングの濃度は?

地上と大差ありません。強化済逆元装置で対処できるレベルです

むしろ……地上より若干低いようです。この濃度なら、指揮官でも問題ないと思います

少々予想外ですね

なんだか……作為的に誘導されているような気もします

!!今地下に異常なエネルギー反応を検出しました……一瞬でしたが、極めて強烈です

いえ……ルナの持つ華胥はただの暗号キーです。それほど膨大なエネルギーはないはず

反応は……廃都市で遭遇した異合生物に近いものでした。ただ、大きさがまるで違います

つまり、下には大型の異合生物がいる可能性がある……

はい、皆さんどうか気をつけてください。特に指揮官は絶対に防護マスクを取らないでくださいね。血清の数は足りていますか?

では、慎重に進みましょう