Story Reader / 本編シナリオ / 13 終焉の福音 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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偽りの都市

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荒れ狂う赤潮の奔流に背を向けると、建築群が目に入った

ブリギットは流動補給車を軍用トラック並みにかっ飛ばし、鬼のようにカーブを切りまくる。地球と空中庭園との往復に慣れていても耐えがたいレベルのGがかかった

胃が激しくひっくり返り始めた頃、ようやく車は停まった

姐御!お戻りで!周辺の端末の設置、全て完了してます!

オーケー、こっちの方も順調にいったわ

運転席から飛び降りたブリギットはサングラスを外し、爽やかに笑った

あら。グレイレイヴン指揮官、大丈夫?間一髪で間に合ってよかったわ。……どうしたのよ、すごい汗じゃない?

ならいいわ。支援部隊の調査で面白いものが見つかったのよ。おそらくあれこそ、私たちがずっと探してた目標だと思う

どうにか車が入れるルートを特定して、物資を新しい臨時拠点に運んでたとこだったの。まさかあなたたちと出くわすとはね

そう、支援部隊の調査で面白いものが見つかったのよ。おそらくあれこそ、私たちがずっと探してた目標だと思う

でも設備にも機能にも限界があって精緻な追跡ができないのよ。幸いここが赤潮に飲み込まれるような兆候もないし、詳しい調査をグレイレイヴンにお任せできると助かるわ

付近の侵蝕体は支援部隊が責任を持って引き受ける。あなたたちが調査に専念できるよう全面的にバックアップするから

ブリギットは手を振ったあと、敬礼のポーズをとった

ではグレイレイヴン、どうかよろしくお願いします

ブリギットのGPR探査結果と華胥が残した座標情報を統合しました。目標位置はここから距離2km未満の廃都市内部だと思われます

リーはレーダーの映像と地形図をモニターに表示させた

公的資料によれば「075号都市」は免疫時代中期に中央浄化塔が故障、住民60万人が緊急退避のちに荒廃して今に至る……

はい、地上の都市建築はフェイクにすぎず、実態は核戦争に備えるための軍用地下施設だったんです。「住民」なんて最初からいなかった……

公的資料の内容は偽造されたものでしょう。ここは廃棄されたのではなく……初めから使われていなかったんです

戦争のためにこれを作った人間も、まさかパニシングの温床と化すとは夢にも思わなかったでしょうね

残念ながら映像で得られる情報には限りがあり、空間の実際の規模は特定できません。現在探知できている範囲だけでもかなりの規模です

ルート探索中ですが……電磁波の干渉が強烈で……

軍事的退避のための施設ですからね。ステルス性を確保するために電磁波干渉は必須でしょう

昇格者の拠点だと推測される以上、敵の懐に飛び込むつもりで準備をしなくては

ですが、これまで自身の居場所を漏らすような昇格者はいませんでした。もし華胥の座標が本当に昇格者の拠点を示しているのなら……

罠の可能性は大いにあるでしょう。それでも、リスクを冒すだけの価値はあると思いますよ

ええ。地下の入り口を見つけましょう