機械体の電子脳のデータを解析しましたが、この船の組織の権限階層に関する情報くらいしかありませんでした
それによると、権限の最下層は有機生命体……つまりは人間です。次に機械体と構造体で、最高権限はマスターコントロールシステムが保有しています
リーフは何かを思い出したように、少し悲しそうな表情を浮かべた
露天商が言っていた蒲牢衆は、囚牛(シュウギュウ)、睚眦(ガイサイ)、嘲風(チョウフー)、蒲牢(ホロウ)、狻猊(サンゲイ)、贔屓(ヒキ)、狴犴(ヘイカン)、負屓(フキ)、螭吻(チフン)の名を持つ九龍衆と呼ばれる構造体がいるようです
船上にいる構造体のコードネームのようなものですね
それから、ここの機械体は擬似意識海を備えており、しかも擬似意識海が正常に作動しているようです
低レベルの思考能力と学習機能を持っています。構造体の意識海と比べて、より現実の構成に近い。意識を伝送することも可能です
「意識」の伝送と言っても……情報やホログラフデータを伝送するだけでしょうが……
低レベルの思考能力と学習機能を持っています。それから、「意識」を伝送することもできる
連中が「意識」伝送をできるからこそ、指揮官がリンクして操ることもできたんでしょう
ついでに操作端末も確認してみました。これも驚きなのですが、極めて先進的な代物が採用されています
はい、ハッキングを試みたのですが……侵入できる突破口はひとつも見つかりませんでした……
統一性があり、厳密で精巧……同一のシステムを全ての機械体と設備に搭載しています
……まるで、ひとつの大きな蜂の巣だ
…………!
……指揮官。おそらく、位置座標や人数、それに戦闘映像まであらゆるものが他者の手に渡ったかもしれません
その「他者」というのは一体……
レーダーに反応!機械体です!それに……構造体も!
九龍衆ですか……
「噂をすれば影がさす」ってやつですね。データベースで見た東方文明のことわざです
指揮官……?
開けて
……
そっちも開けて
ここにいないわけがない。えっと、伝送データは……
力士。こっちも開けて、早く
この重さ……
見つけた
ここね
リー!
避けられたか……
熱烈な歓迎、恐れ入るわ