Story Reader / 本編シナリオ / 11 九龍夜航 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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一寸先は闇

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報告を確認しました。どうやら一件落着のようですな

ええ、グレイレイヴンもストライクホークも実によくやってくれた。戦闘データを確認するかね?

いえ、結果さえわかればそれで結構です

そうか、残念だ。興味があると思ったのだが……

目下の関心事は、あの船の進路……あの船は今、我々が未探索の場所に向かって進んでいるのですね?

詳細は不明だが、あの一帯は船同様「九龍」と呼ばれるエリアだ

ちょうどブリッジに入ってきたアシモフが、ハセンに代わってニコラの問いに応えた

アシモフはいつも通りの研究着だ。その頭脳は目まぐるしく回転しているようで、指先が忙しなく動いている

ふん……それでは、その「九龍」について、お前は現時点でどこまで把握している?

船のことはおふた方もよくわかってると思うが、要塞の方は座標と……それから、組織の名前が判明している

ほう……

「九龍コーポレーション」だ

かつては商会、今はコーポレーション。内情は?どの程度わかっている?

詳しい構成はまだなんとも言えないが、空中庭園に劣らない規模の大型勢力だな

大規模勢力か……平和的協議を進められればいいのだが

存在そのものを隠そうとする組織など、どう考えても健全ではないでしょう。ハセン、あなたは甘すぎる

地上の組織は大概が空中庭園を敵視している。今回もいざという時にグレイレイヴンとストライクホークとフォローできるよう、前もって部隊を配備しといた方がよくないか?

君たちは大したペシミストだな……

ハセンはそれ以上は何も言わず、苦笑いを浮かべて頭を振った。先の発言が、所詮は非現実的な理想主義にすぎないことを、彼自身もよくわかっているのだ

世界はパニシングという災厄に呑み込まれ、大きく歪んだ

そして、あらゆる人間はそうと自覚するまでもなく――その深い奈落の底に墜ちてしまったのだ

空中庭園、昇格者、オブリビオン、アディレ、航路連合、九龍、そして地球上に散在する生存者たち――

団結は散り散りに引き裂かれ、個々が個々の意志を持ち、主張を行う。それは別の個を傷つけ、やがておのれ自身をも呑み込んでいく

対話のために、武力を含めた十全の準備を行う必要がある……

対話するか否かはさて置いても、武力は必須でしょう。ゆえに我々は今、ここにこうして集まっている

アシモフ、例の件を報告しろ

はいよ。では、新型機体について報告する

もろもろの指標を精査した結果、若干不本意ではあるが、グレイレイヴン·ルシアをサンプル第1号として機体を開発することにした

ルシアか……安定した構造体とは言いがたいな

その不安定さが最適なんだよ。よって、その不安定性を拡張するために、昇格者αのデータも追加した

……気は確かなのか?

あんたもあの昇格者の力を知ってるだろう。上手く制御できれば、かなり大きな戦力になるはずだ

次のαになったりはしないだろうな?そんなリスクは承知できんぞ

機体の開発、という範囲内にとどまっている限りは問題ない

……だが、ルシアは現状不在だ。誰がその機体をテストするのかな?

ルシアがいたって、すぐに実用できるわけじゃない。意識モデルのマッチングがαのデータに影響されてるからな、そうむやみに使うわけには……

とにかくだ、原型を100%再現したデータモデルを用意したんでな。そのモデルを使って機体を動かせば、性能を確認できるはずだ

では、見せてみろ。新型機体の実力を