Story Reader / 本編シナリオ / 11 九龍夜航 / Story

All of the stories in Punishing: Gray Raven, for your reading pleasure. Will contain all the stories that can be found in the archive in-game, together with all affection stories.
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11-12 九龍

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船上は大いに賑わっている。華胥と曲が消え、自由になった人々の笑い声と涙が船中に溢れていた

これでようやく……終わりですか?

華胥が消えて船は制御を失いましたが、幸いにも意識移植実験のお陰で、ルシアが一部の制御権限を手に入れた……

リー

それから、未使用の端末から発見された2種の情報ですが……

どちらも演算プランの類ですね。ひとつ「九龍夜航船」、ひとつは「九龍コーポレーション」。それぞれに異なる署名があります

ヴィリアー……そして……曲

ヴィリアーは「曲」の本当の名前でしょうか?だとしたら、商会の首領だった本当の曲はどこに……?

指揮官となら、どんな難題でも必ず解決できます

……ルシアは何だか、指揮官に似てきた気がします

指揮官。何度も言いますが、今後はこの手の任務は引き受けない方がいいですよ

海面を揺蕩う船。朝日を反射して煌めく海を、皆が思い思いに眺める

グレイレイヴン指揮官、それに皆さんも。ご無事で何よりです

ええ、君たちとは別の場所ですが。またしても遅れをとったようですね、さすがはグレイレイヴンです

そのうち来ますよ。まだ他にやることがあるんでしょう……

君たちがなぜここへ来たのかは知りませんが、こちらはいくつか情報をつかみました。情報交換しませんか?

つまり、船の首領は本物の曲ではなく、そしてここも真の九龍ではないということですね……

まさか、他にも似たような船……あるいは本拠地があるんでしょうか?

あの謎の計画書……もう一方に記載されている場所が、もしかしたら本物の九龍かもしれません

ですが、どうやってそこへ……?

蒲牢や船の人々によれば、皆さんがもともといた場所は、ふたつ目のプランの線図に似ているようです……

皆から集めた情報をもとに、この船の最初の出航場所を特定しました。ルシアが航路を設定済です

ええ、皆さんを無事に家まで送り届けないといけませんから

それと、もうひとつ。船の信号源を追跡した結果、昇格者の信号が確認できました

何か心当たりは?

ありすぎるほどありますが……長くなりますので、落ち着いてから改めてご説明することにしましょう

カムイ

おーい、隊長~!みんな~!……おわっ!

満面の笑みを浮かべて走ってきたカムイは、床に散乱する物に気づかず、盛大につまづいた

戦闘を終えてすっかり気が緩んでいたカムイは、受け身を取り損ねて、おかしな悲鳴を上げつつおかしな体勢で転がり続ける

クロムは素早く回避し、リーフも慌てて避けて、ルシアは指揮官を庇った

リー!リーニキ!!俺を受け止めてぇぇぇぇ!!

誰が!!アニキだ!!!!!

リーの華麗な回し蹴りを受けたカムイは海に向かって弧を描き……「ボチャン」という派手な水音が――響くことはなかった。かろうじて手すりをつかんだようだ

ひゃああああ……び、びっくりしたぁ!

カムイ、以後気をつけるように

へ~い

へへん!心配ご無用だぜ、指揮官!

皆はそのまま甲板に立ち続ける。やがて船が進むに従い、朝霧をかき分けるようにして現れたのは——

虹色の光をまとい、雲にも突き刺さらんばかりの巨大な塔。周囲の建築物も一様に光を放っている

ルシア

指揮官、おそらく……

これは、真の九龍だ